湯崎英彦・広島県知事に聞く(全文2)学びの変革実践…人材育成で活力生む
ただ、もう少し大きな目で見ると、今のシェフというのは、ある意味で言うとプロフェッショナルですよね。そのプロフェッショナル、つまり非常に高い付加価値を生むことができる人材をどれだけ地域に蓄積していくのかということが、地域の活力を高めていく上で非常に大きな要素だと思っていますので。 シェフだけではなくて、むしろシェフは後からついてきたのですが、イノベーション人材等育成事業というのを進めて、企業、特に中小企業などが高度な研修を社員の方に実施する場合に、それは社内研修というよりも、一番典型的には大学院に行ってもらいたいということがあるのですが。大学院だけでもないですけれども、そういう高度な教育を受ける場合には今、大きく補助をしています。 なかなかそうは言っても、中小企業だと人材の数自体が少ないので、その人がいなくなると困ります、ということがたくさんあるので、会社として出せないということもあります。そうすると、個人でも行きたいという人がいたらそれはまたサポートしますよ、と。これは学費なんかを貸し付けて、一定年限、広島で働いてもらったら返還を免除します、という仕組みにしています。シェフもそうですけれども、今のような人たちも付加価値をいろいろ生むことができる人材、これを広島に蓄積していこうという取り組みですね。 【メモ】 ・「ひろしまシェフ・コンクール」…コンクール成績優秀者が希望した場合、海外修業する費用を貸し付ける制度。ほかにもイノベーション創出が期待できる国内外の大学院等専門課程の修学希望者に対する貸付金制度「広島県未来チャレンジ資金」などがある。 ※湯崎英彦・広島県知事に聞く(全文3完)に続く