湯崎英彦・広島県知事に聞く(全文2)学びの変革実践…人材育成で活力生む
「グローバル」も含む、自分の選んだステージで活躍 人間力をつける学校を設立
これは仮称で「グローバルリーダー育成校」と言っているのですが、これはちょっと名前が悪いなと思っていまして、つまり「グローバルリーダー育成」というと、グローバル、まさに世界のリーダーみたいなイメージですけれども、そういうことではなくて、今、世界はフラット化していると思うんですね。地域であれ、国であれ、あるいは世界であれ、フラット化しているので、その活躍の場はどこでもいいでしょう、と。それぞれが抱えている課題というのも、決して上下関係にあるわけでもなければ、どちらが簡単で、どちらが難しいということでもないので、どんな場面でもリーダーとして力を発揮できる、そういう能力を身につけさせていこう、と。世界で活躍するためには、そういう要素も入れておかないといけないのでグローバルリーダーというふうに言っているわけですけれども、こういう学校をつくっていこうと。 これは、離島で大崎上島という島がありますが、そこに全寮制の中高一貫で、高校生からは3割程度が留学生になる、高校は英語をベースに授業をする、そういうことがグローバルリーダーというイメージがあるわけですが、われわれは地域でも活躍してほしいと思っていますし、それは自分が選ぶステージで活躍するということですが、いずれにしてもそういう学校、イメージとしては旧制高校だとか、あるいはイギリスのパブリックスクールみたいな、そういうイメージの人間力をつける学校ですね。もちろん今のような考える力、物事を解決することができる力、それを身につけると。
今、その前哨戦として、「学びの変革」というのは、各段階、小学校、中学校、高校でモデル的に導入を始めていますし、さらにグローバルというタッチで言うと、県立高校については、特別支援学校も含めて全ての学校が海外の学校と姉妹校提携を結んでいますし、県立学校からの留学生、海外へ留学していく子どもたちを大幅に増やしていこうと、10年間で1万人送り出そうと、そういう取り組みもしていますし、海外の9つの自治体と教育についての連携、覚書締結をしまして、一緒にさまざまな取り組みを進めるということをやっています。 【メモ】 ・「グローバルリーダー育成校(仮称)」…2019年4月に瀬戸内海の離島・大崎上島に開校予定。全寮制の併設型中高一貫校で中学校の定員は1学年約50人。高校からは1学年20人程度の留学生が加わる。 ・「高校生海外留学1万人プロジェクト」…広島県内全ての小・中・高等学校でグローバルマインドを系統的に育成し、毎年1000人以上、10年間で1万人の高校生が海外に留学できる教育環境の整備を目指している。2014(平成26)年3月時点で、特別支援学校を含む全県立97校が海外の学校と姉妹校提携を結んでいる。