一年のほこりを落として新年へ 奈良の薬師寺「お身ぬぐい」
奈良市西ノ京町の薬師寺で29日、新年に向けて仏像のほこりや汚れを落とす「お身ぬぐい」が営まれた。 加藤朝胤管主ら僧侶10人と「青年衆」と呼ばれる奉仕の学生約35人が参加。金堂での法要後、般若心経の読経が響く中、本尊の薬師如来坐像と日光・月光両菩薩立像(いずれも国宝、奈良時代)をぬぐい清めた。 湯と白い浄布を使用し、僧侶4人がはしごに登って仏像を丁寧に磨いた。参拝者約250人も作業を見守り、仏像に手を合わせていた。このあと、お身ぬぐいは大講堂と東院堂(国宝)でも行われた。 仏前に供えられた石川県・能登半島で収獲された餅米とそば粉を使用した餅とそばは、29日から境内で授与を開始(なくなり次第終了)。志納金は復興資金として寄付される。 加藤管主は「元日から大きな地震があった能登半島へ向けて復興の祈りをささげた。皆さまもお餅やそばをぜひお持ち帰りいただければ」。宇都宮市から参拝に訪れた自営業の吉田真寿美さん(52)は「いつもテレビで見ていたお身ぬぐいを初めて見学できてよかった。新たな気持ちで新年を迎えたい」と話した。