スペースデータ、ISS船内をデジタル上に再現--PCゲームプラットフォーム「Steam」で無料配信

スペースデータ（東京都港区）は11月7日、国際宇宙ステーション（ISS）をデジタル上に再現した「ISS Simulator」を世界に向けて無償で公開したと発表した。「Steam」からダウンロードできる。 　ISS Simulator（ベータ版）は、ISSの3D空間や実際のISS船内の環境をデジタル上に再現。微小重力環境や気流などの宇宙ステーション特有の環境を再現したと説明。宇宙ロボットや宇宙飛行士の目線になり、船内や宇宙空間を探検できる。ゲームやエンターテインメント、教育での利用から宇宙ロボットや宇宙実験のシミュレーションまで広い用途で利用できるという。 　スペースデータはISS Simulatorの公開を通じて、これまで限られた人や専門家だけがアクセス可能であった宇宙空間を世界中に開放し、あらゆる産業の宇宙事業への参入を促進すると説明。同社は、宇宙ステーションや月面などの宇宙環境をバーチャルに再現する技術「宇宙デジタルツイン」を推進しており、今回はその第1弾。 　宇宙航空研究開発機構（JAXA）の新事業創出プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ（J-SPARC）」の枠組みのもとで「バーチャル国際宇宙ステーション（ISS）」の共創活動を進めている。ISSの日本実験棟「きぼう」で取得した温度や湿度、風量、照度などの船内環境データをJAXAから提供してもらい、宇宙で取得した実データをデジタル上に再現する取り組みを進めている。 　Steamは月間アクティブユーザー数が約1億3200万人に達するというPCゲームプラットフォーム。1日のアクティブユーザー数は約6900万人、同時接続ユーザー数の最高記録は3830万人という。