家族の財産が“見ず知らずの人の手”に…「成年後見制度」が引き起こす衝撃の実態
なぜ「見ず知らずの人」が後見人になるのか?
添付の漫画では、家族が後見人になれるというから申請したのに、結果的には、見ず知らずの人がお父さんの後見人になりました。どうして、見ず知らずの人が後見人になるのか。それは、成年後見制度は需要に対して供給過多の状態にあるからです。 楽して稼げるとでも思っているのか、「後見ビジネス」に参入している弁護士、司法書士、社会福祉士、その他の「士業」が増えています。 この人たちに仕事を出さないといけないと考える裁判所は、後見人になることが可能な家族を差し置き、裁判所に営業登録している弁護士などに案件を提供します。その際、保有預貯金額が高かったり、不動産売却や相続が見込まれたり、すなわち、後見人報酬額が割高になる案件が提供されることになっています。 「金にならない案件は家族に回せばよい」という考えが裁判所にあるのでしょうが適切な運営とは言えません。 後見人から通帳などを引き渡すよう求められても、「本人に頼まれているから渡せません」と反発するご家族は少なくありません。すると、後見人は、お父さんの代理人として容赦なく家族を訴えます。 「不当利得返還請求」といって、不当に利益を得ているから返還せよという内容の裁判ですが、当のお父さんが、「妻や子どもに何でそんなことをするんだ」と怒っても、「被後見人となったあなたは無能力者、あなたの発言に意味はありません」と冷淡に無視するでしょう。 これが、法で定める後見制度、すなわち、法定後見制度を使ったことで生じる最初のトラブルの実情です。 宮内 康二 一般社団法人 後見の杜 代表
宮内 康二
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