【福島記念】アラタ 挑戦15度目で念願の重賞初制覇 陣営の努力が結実「工夫してやってきた」
秋の福島の名物ハンデ重賞「第60回福島記念」は、7歳アラタが15度目の挑戦で念願の重賞初制覇。鞍上の大野拓弥(38)は22年デイリー杯2歳S(オールパルフェ)以来、2年ぶりの重賞Vとなった。 21、22年と3着に敗れた“因縁”のレースでアラタがようやくタイトルを勝ち取った。道中はゆったり後方2番手を追走。3~4角で加速すると、直線外から一気にライバルをのみ込んだ。「三度目の正直ではないですけど、これまでの2回は1番人気で期待に応えられなかったので。外を上がっていく手応えが良く、安心して乗った。後ろからは何も来ないでくれと思っていた」。2度の敗戦でもコンビを組んだ大野の喜びもひとしおだ。 苦難も乗り越えてきた。今年1月の中山金杯。スタート直後の1角で他馬に挟まれ内ラチに接触した。「それを引きずっていて腰も悪いと(騎乗歴のある)ノリさん(横山典)が言っていた」と和田勇師。愛馬の状態を見極め「坂路での調整をやめて長めを乗るようにした」とコースでの調教へシフト。「中間は助手と相談して工夫してやってきた」と陣営のたゆまぬ努力が結実した。 今後について指揮官は「この先はオーナーと相談して。距離は延びてもいいとは思う」。さらなる大舞台へ、ベテランホースの新たな挑戦が始まった。 ◆アラタ 父キングカメハメハ 母サンシャイン(母の父ハーツクライ)17年3月16日生まれ 牡7歳 美浦・和田勇厩舎所属 馬主・村田能光氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績26戦7勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億729万3000円 馬名の由来は新しい今までにない様。