推し活をしながら「キッチンカー」で全国を回っている人がいると聞いて、やってみたくなりました。どれくらい初期費用がかかりますか?
クレープやタコス、スイーツ、B級グルメなどをイベントや空き地で販売する「キッチンカー」の仕事に憧れを持っている方も多いのではないでしょうか。 キッチンカーを運営する人のなかには、ファンのサッカーチームを追いかけながら全国のスタジアムにキッチンカーを走らせる人もいるそうです。 そこで本記事では、キッチンカーを開業する場合にかかるランニングコストを解説します。
キッチンカーの開業にはどれくらい必要?
キッチンカーの開業にかかる初期費用は、自動車や調理設備などによりますが、大体200~500万円必要といわれています。本項では、キッチンカーの開業にかかる主な費用項目について説明します。 ■キッチンカー キッチンカーの購入や改造にかかる費用は、事業の規模や車両の種類によって大きく異なります。基本的には、トラックサイズのキッチンカーでおよそ250万円です。 ただし、提供する料理の内容に合わせた調理機器を別途導入する必要があります。なお、中古車の購入や自家用車を改造するのであれば、費用は安く済ませられるでしょう。 ■調理設備・器具 キッチンカーでの営業には、料理に合わせた調理設備や器具の準備も欠かせません。例えば、焼きそばを作るためには、鉄板やフライパンなどの道具をはじめ、ガス台やガスボンベも必要です。 小規模であれば家庭用のフライパンを使用できますが、生計を立てられるくらいの売り上げを稼ぐのであれば、業務用の設備を導入したほうがよいでしょう。費用は安いものなら10万円ほどで、凝った料理を提供するなら30万円ほどかかります。 ■販促品・備品 キッチンカーの認知度を上げてリピーターを獲得するには、おしゃれなメニュー看板やチラシといった販促品も欠かせません。また、料理を提供する際には、使い捨てタイプの皿や箸が必要です。 焼きそばなら紙皿、クレープなら専用の包装紙など、商品に必要な小物も用意しなければなりません。必要な費用は大小ありますが、売り上げの3~5%が理想的といわれています。 ■営業許可証の取得 キッチンカーでの営業を開始するには、食品衛生法に基づく営業許可証の取得が必要です。営業許可証の取得費用は出店場所の自治体により異なりますが、1万4000~1万8000円程度の地域が多いようです。なお、営業許可証には5年ごとの更新料もかかります。 また、営業には食品衛生責任者の資格も必須です。さらに、調理師免許証や製菓衛生師免許証、栄養士免許証等を所持していない場合は、1万円程度の受講料を払って講習会を受ける必要があります。 ■仕込み場所 料理の内容によっては、専用のキッチンスペースを用意しなければなりません。営利目的で提供する料理は、保健所の衛生基準を満たした設備で行う必要があります。自宅のキッチンで仕込みをすることは、基本的に禁止されています。 ただし、自宅のキッチンを使う場合には、保健所の衛生基準を満たすように改修し認可を得れば問題ありません。内装工事にかかる費用は、キッチンスペース1坪あたり20~50万円程度といわれています。