自然木ベンチ見て触れて 長野県松本市が外堀大通りに設置
長野県松本市の国宝松本城南を通る外堀大通りに10月、自然木の造形を生かしたベンチが出現した。生命が循環する仕組みを体感できる施設として市が設置し、通りがかりの人の注目を集めている。 同市安曇大野田から切り出された高さ1・7メートル、幅が最長2・7メートルのサクラの幹が、同市内田産の長さ6メートル、直径45センチのクリのベンチにのしかかるような形状だ。サクラの木の土台には直径2・2メートルの「レイズドベッド」と呼ばれる花壇が置かれ、朽ちた木が土に戻り、新たな植物が芽生える仕組みになっている。旅行中に通りかかった藤野まゆみさん(61)=埼玉県児玉郡美里町=は「最初はベンチだと気付かなかった」と驚きつつ「自然に触れる機会が少ない中、趣があっていいと思う」と話していた。 市が令和5年3月に策定した「松本まちなかグリーンインフラアクションプラン」に基づき設置した。市民がくつろげる空間を提供するだけでなく、地域材の活用や脱炭素の取り組みについて理解を深めてもらうねらいもある。市都市計画課は「見て、触れて、使って、持続可能なまちづくりに思いを巡らせてほしい」と話した。
市民タイムス