創刊70周年、雑誌「メンズクラブ」が定期刊行終了 不定期刊行へ
ハースト婦人画報社がメンズメディアブランドの刷新に伴い、雑誌「メンズクラブ(MEN’S CLUB)」の定期刊行を終了する。最終号は10月10日に発売。今後は不定期刊行となる。 【画像】60年代以降の表紙をプレイバック
メンズクラブは、1954年に「婦人画報増刊 男の服飾読本」をタイトルに掲げ、日本初の男性ファッション誌として誕生。アメリカファッションの基本となるアイビーやプレッピーといったトレンドを日本に紹介し、一大ブームを巻き起こした。立ち上げにはアイビー・ブームの立役者の一人でもある石津祥介が携わっている。1963年から現在のメンズクラブに改称。「男の服飾」時代を含む過去の表紙には石原裕次郎が飾ったこともあり、誌面には駆け出し時代の沢村一樹や竹野内豊らが専属モデルとして登場した。長らく月刊発行を継続したが、2023年3月発売号をもって、発行回数を年10回から年4回に変更。今年は創刊70周年のアニバーサリーイヤーだった。定期刊行最終号では、これまでのアイビースタイルを大々的に特集。今後は既存の形態に捉われることなく、ブランドの強みと魅力を発信していくという。 同誌の定期刊行の終了は「エスクァイア(Esquire)」日本版のリニューアルに伴い発表された。メンズクラブとエスクァイア日本版のほか、「エスクァイア・ザ・ビッグ・ブラック・ブック(Esquire The Big Black Book)」「モダンリビング(MODERN LIVING)」の4媒体の編集局長を務めてきた佐藤俊紀氏は、エスクァイアの雑誌およびデジタルの日本版編集長を兼任し、デジタルメディアと雑誌のシナジーをより一層高めていくという。 リニューアルするエスクァイア日本版では、「Focusing on all creativity with a journalistic eye(創造の物語を、ジャーナリスティックな目線で)」をテーマに、35~45歳の探求心と好奇心旺盛な新富裕層をコアターゲットに据え、雑誌を年4回発行する計画。第1号は2025年初頭の発行を予定している。デジタルではSNSを中心とした動画を強化していく方針で、雑誌版とデジタル版の連動に注力する。なお、エスクァイア日本版のリニューアルに伴い、エスクァイアのハイエンド誌「Esquire The Big Black Book」も発行を休止。10月15日発行号が最終号となる。 佐藤氏は「エスクァイアは米国での創刊から91年、メンズクラブは70周年を迎えました。長い歴史の中で、私たちが読者の皆さまにお届けしてきた本質的な価値は、男性としての魅力を高めるスタイルの提案であると自負しています。その思いは、情報プラットフォームが変化し続ける現代、そして未来においても変わることはありません。当社のメンズメディアは、新しい時代に向けて柔軟に形を変えながら進化を続けてまいります」とコメントしている。