2024夏の高校野球・スカウトの評価を上げた選手たち。旋風を起こした学校のあの選手や超高身長投手など
波乱の多かった今大会。そんな中でスカウトの目に留まったのは? 未来のスター候補を今から要チェック。次の楽しみは秋のドラフトだ! 【写真】未来のスター候補を今から要チェック! ■有望選手擁するチームが敗れる波乱 甲子園球場での取材中、セ・リーグの某球団スカウトから話しかけられた。 「今年は目ぼしい選手が少ないんじゃないですか?」 返答に困ってしまった。好選手はいるものの、「こんな選手がいたのか!」という新鮮な発見は少なかった。 * * * 京都国際の初優勝で幕を閉じた夏の高校野球は波乱に満ちた大会になった。健大高崎(群馬)、報徳学園(兵庫)、大阪桐蔭、花咲徳栄(埼玉)、智弁和歌山といった優勝候補が早期に敗退。一方で報徳学園を破った大社(島根)は3回戦で早稲田実(西東京)との壮絶な名勝負を制してベスト8に進出。旋風を巻き起こした。 大会としては大いに盛り上がりを見せたものの、冒頭のスカウトの発言があったように、プロのスカウト陣の反応はいまひとつに感じられた。 大会前に大きな注目を集めていたのは、投手なら今朝丸裕喜(けさまる・ゆうき/報徳学園)、打者なら石塚裕惺(いしづか・ゆうせい/花咲徳栄)の2選手。共にドラフト上位候補に挙がっており、今大会でのアピール次第で押しも押されもせぬドラフト1位候補に浮上する可能性があった。 しかし、結果はふたりとも初戦敗退に終わった。今朝丸は188㎝の長身から最速151キロの快速球を投げ込む本格派右腕で、今春センバツでは準優勝に輝いた。だが、今夏は大社の勢いを止められず、7回途中で降板して敗戦投手に。パ・リーグのある球団スカウトはこんな本音を明かした。 「今朝丸はいいピッチャーだけど、『怪物』という感じはしない。毎年ひとりはいる好投手という感じだよね。つかみどころのない性格と聞いているけど、マウンドに立つと考えて投げていることは伝わってくる。サインプレーもしっかりやるし、頭の悪いピッチャーではないよ」 高評価は揺るがないものの、「是が非でもドラフト1位で獲らなければいけない」という温度感はスカウト陣からは感じられなかった。 石塚は高校通算26本塁打の強打者で、プロ側の需要が高い、右投げ右打ちの遊撃手だ。だが、今夏は伏兵の新潟産大付に初戦で敗れ、石塚は4打数1安打に終わっている。