M3 LABO®とライトオンが協業、3Dデジタル技術を活用した商品制作の裏側
制作前にシミュレーションや3Dでの可視化が可能に
M3 LABO®は、3Dデジタル技術を活用するにあたって、ソフトウェア「CLO」を使用している。CLOとは、アパレル向けの3D CADツールのことで、衣服の制作を行う際に必要な一連の流れをバーチャル上で可能にするものだ。 CLOを利用するメリットとして「サンプル制作前にシミュレーションが可能」といった点が挙げられる。
今回協業で制作した商品を見てみると、「エクストラサーモ3Dトラウザーパンツ」は、アバターの「透過検証」を活用し、足回りの無駄な空間をなくすことによって、スタイリッシュな見た目とフィット感を追求した。また、立体設計にすることでヒップが上がって見えるシルエットになり、脚長効果が期待できる。
その他にも、座る、しゃがむなどといった日常の動作をバーチャル上でシミュレーションし、ヒップ側のウエストライン部分が下がらないように後ろ側を長く設計している。
「エクストラサーモ3Dジャケット」は、吊り革を掴む動作により負荷を感じやすい箇所を検証し、衣服にかかる着圧を軽減させることに成功した。
このように、商品制作前にさまざまなシミュレーションをバーチャル上で検証できる点は、CLOのメリットと言えるだろう。 その他のメリットとしては、制作の段階から「3Dによる可視化」ができる点にある。この点では、具体的にどのようなメリットがあるのだろうか。 「従来だと、サンプルを作成しヒアリングしながら素材やパターンを変更していきますが、CLOを活用することによって3Dによる可視化ができ、サンプルを作らずバーチャル上で表現ができます。 そのため、3Dデータを見ながら改善や意見交換ができるため、店長やバイヤーなど、制作チーム以外のメンバーともスムーズにコミュニケーションが取れて、制作プロセスの時間短縮にも繋がったと感じています」と松下さんは語ってくれた。 3Dによる可視化によって、遠方の店舗スタッフなど物理的な面で参加が難しかった社員も制作に携わることが可能となる。実際に日々店頭に立ってお客様の声を聞いているスタッフからの声を制作に反映させることができるのは、ブランドとしてもメリットと言えるではないだろうか。