M3 LABO®とライトオンが協業、3Dデジタル技術を活用した商品制作の裏側
2023年10月に、モリリン株式会社のデジタル研究チーム「M3 LABO®(エムスリー・ラボ)」と株式会社ライトオンが協業して、3Dデジタル技術を駆使した「エクストラサーモ3Dジャケット」と「エクストラサーモ3Dトラウザーパンツ」の販売を開始した。 3Dデジタル技術を活用することで、データを基にしたシルエットの良さや着心地を実現し、商品開発の効率化やサンプル削減の面でも貢献しているとのことだ。 このような最先端の技術が話題になることは多いが、具体的に何ができ、どのようなメリットがあるのか、疑問に感じている読者も少なからずいるのではないだろうか。 そこで今回は、株式会社ライトオンの飯合 賢太郎さんと、モリリン株式会社の松下 慶次郎さんに、3Dデジタル技術活用の背景や活用のメリット、今後の展望について話を伺った。
「企業視点」での効率化だけでなく「顧客視点」での商品開発を実施
モリリン株式会社は、2023年3月に、デジタルデータに基づいた企画、生産、素材、販売促進の提案を総合的に行う研究チームとして「M3 LABO®」を発足した。M3 LABO®では、3D CADと3Dアバターを活用し、「多様な活用方法の提案(Matching)」「素材の提案(Material)」「動作の検証(Motion)」を提供している。 「M3 LABO®では、3D CADなどを使って、今まで表現の難しかった、パターンや、着心地のよいシルエット、素材の特徴をバーチャル上で可視化し、より良いモノづくりをするために3Dデジタル技術を活用しています」と松下さんは語る。 今回の協業は、M3 LABO®による提案で実現したとのことだが、ライトオン側ではどのような目的や狙いがあって取り組みに至ったのか、株式会社ライトオンの飯合さんに伺うと以下のように答えてくれた。 「ライトオンは、商品の均質化が進むショッピングセンターの中で、幅広い顧客層をターゲットにしています。そのため、他商品との差別化を図るために3Dデジタル技術を活用し、お客様に寄り添い、お客様に感動を与えられるような商品開発を目指して、今回の企画をスタートさせました」 単に、デジタル技術を用いて商品開発の効率化を図るだけでなく、「お客様に感動を与えられるような商品開発」を目指している点がポイントで、ジャケット・パンツともにシルエットが綺麗なだけでなく、パターン設計による着心地のよさ、冬でも暖かい機能面にも優れているなど「顧客視点」での商品開発が見て取れる。