「あと何回旅行できる?」50代からは〈わがままにおいしい旅〉に出よう
大人旅では「ぐっすり眠る」ことは何より大切
ちなみに、大人旅において、普段にまして大事なのが睡眠。「ぐっすり眠れない」という話題になると「私も」「私も」と、睡眠のお悩みを抱えている人が意外と多いことに驚かされます。旅先でも同様で、翌日に疲れを持ち越さないために、ぐっすり眠ることは何よりも大切です。 旅先では、気がついたら一万歩以上歩いていた、なんていうのはよくあること。宿に帰るころにはクタクタで、思った以上に疲れが溜まっています。お風呂にゆっくり浸かるのがまず第一の疲労を抜くポイント。温泉宿なら最高ですが、ビジネスホテルであっても、湯船にお湯を溜めて入りましょう。パリッと糊のきいたシーツにダイブするときの気持ちの良さは旅先ならでは。そのまますぐ寝落ちして、気づいたら朝…… というのが理想ですが、何かの拍子で寝付けず、体が疲れているのに頭は冴えてしまうことがあります。 私自身は「枕が変わると眠れない」などということはないのですが、それでもなるべくリラックスできるようにお守り的にしている“眠りのためのルーティン”があるので、ご紹介します。
大人女性の悩みNo.1? 熟睡のためのルーティン
まずは寝るときに着るものについて。旅館なら浴衣が用意されていますし、ホテルでも最近は部屋着やパジャマが置いてあることも多くなりました。温泉旅館ではなくてはならない浴衣ですが、私にとっては実は難易度が高いもの。呉服屋育ちの母から生まれたにもかかわらず、なんだか着ていて落ち着かないのです。いざ寝てみても、寝相が悪いわけでもないのに、朝には帯だけ残して、見るも無惨にはだけているなんてこともしょっちゅう。また、旅館の浴衣は寝巻きでありながら館内着でもあったりして、それを着ないのは逆に目立ってしまうことも。 浴衣姿の中で浮かない寝巻きとは? という私の長年の悩みを解決したのがエシャペというブランドのパジャマ。パリッとしたコットン製で、上下セットアップで着るとオールインワンのようにも見えるデザインなのです。これなら浴衣姿に混じっても浮きませんし、なんなら外出着として出かけてもOK。気に入りすぎて、ネイビーとダークグリーンの色違いで持っています。少しでも眠りに入りやすくするために、普段と同じ、肌になじんだパジャマをあえて持っていくのはなめらかな入眠に実は欠かせません。 (*そのほかのコツについては本書の中でご紹介しています) コロナ禍を経て、やっと気兼ねなく旅に出られるようになりました。 同時に、仕事状況も落ち着いてきて、自分のために使える自由な時間も増えてきて、若い頃よりはちょっと余裕もある……そんな旅好きな大人に向けて、私が“添乗員”として書き綴った〈おいしい旅〉の記録、そして旅のコツが、少しでも皆さまのお役に立ちますように。
ariko(料理家)