【総裁選2024】2回投票は必至⁉そこから見える自民党の「陰と陽」とは(記者解説)
決選投票に残るのは上位2名。 決選投票では、国会議員367票プラス都道府県47票(1次投票で都道府県内で最多票を集めた候補に、自動的にカウントされる仕組みです)。 誰が決選投票に残るのかが非常に大事になると、水内氏は解説します。 8月の世論調査結果は次の通りです。 右側の列が自民党支持層に限ったデータです。(左側は調査対象者全体)今回は党員を対象とした選挙ですので、右側にご注目ください。 議員でも党員票でも大きな差が出なかった時、注目されるのは党員票になります。直近の各社世論調査は、おしなべて同じ傾向があり、上位2名は小泉氏と石破氏、少し離れて高市氏、一桁台で河野氏、上川氏、小林氏と続いています。 林氏「小泉氏と石破氏のワンツーが緩んでいない印象。上位2人しか決選投票には進めないので、この2人が強いなというのが、現時点での印象。変数が推薦人にならない国会議員票。200票の中から2位に入る候補が現れるか」 MC伊藤由佳莉「今回は党員票のほうが読みやすいんですか?」 水内氏「前は都道府県単位で集計していたんですけれど、全国に集めてドント方式にするんですよね。こうなってくると、比較的世論調査の数字の通りに数字が出やすいんです」 以前はある県で総取りしたりするなど、都道府県ごとの特徴が出たこともあったそうですが、現在は全国で平準化されてしまうのだそうです。 林氏「世論調査とマーケットが一緒なんですよ。似たような傾向が出る可能性は一定程度あるんじゃないかなと」
自民党の「陰と陽」を表す選挙?党の生まれ変わりを示すには?
ここから、「パッケージ(立候補者+推薦人リスト)販売」がカギになる、という話につながります。第1ラウンドと第2ラウンドを見据えた動きは? 林氏「自民党の陰と陽、2つの顔を見れるかもしれないと思っています」 林氏は、第1ラウンドは党員票が世論調査と同じ傾向になると思った上で投票するが、「第2ラウンドは、1位、2位になった人をどうやって次の総理に押し上げるか、合従連衡になる可能性がある」と説明します。 林氏「第1ラウンドは民意がより反映された『新しい自民党』になる可能性が高い。一方、第2ラウンドは昔ながらの派閥的な合従連衡で決まる。新しい自民党と『古い自民党』のせめぎ合いになるので注目したい」 水内氏「第2ラウンドになった時は、1次で敗れ去った候補と支持層を決選投票に残った候補に載せるから、俺たちのおかげで政権ができたのだからとポスト配分をアピールすることができる」 林氏「要するに、ばら売りよりはセット売りのほうが高く買ってもらえる。次の決選投票で1位になるためには、セット売りをしてくれる人を高く買うせめぎ合いが水面下であるかもしれないし、それを取り回すキーパーソンは誰なのかというと……昔の自民党っぽくないですか」 水内氏「陣営によっては、こういう取引を投票前日までにやっておくのかな、と思うんですよね」 林氏は「党員の人たちの票は、世論調査の結果をひっくり返してくれてもいい」と、党員票の可能性を指摘します。 林氏「本当に自民党が危機で生まれ変わらせたいのなら、議員票の変数に有無を言わさないような、党員票の出し方をみんなでしちゃう、とかですね」 水内氏も、世論調査の数字はあくまでも今の段階の数字であると強調します。 水内氏「今回、自民党総裁選の期間が長いわけですよ。ハプニングなり素性が割れるなり、次から次へと起きていくと、今のこの数字が変わることは十分ある」 「このためには、まず立候補することがすごく大事」とゲストの2人は強調します。 林氏「立候補しておけばまくれるかもしれない。まくれるとすればどんなムーブメントがあるのか、それがその国の総理大臣にふさわしいのかといった動きがあるのか」