「プリスティン」「ナナミカ」がタッグを組んだ天然繊維100%のフリースとは
寒い季節に大活躍するフリース。そのフリースの素材といえば…ポリエステルだと思っていませんか。 【写真11枚】リアルフリースコートは、コートの内側のライナーをアウターにできるリバーシブルタイプ。コートとプルオーバー2タイプの特徴を写真で見る 実は、もともとフリースは、化学繊維ではなく、天然素材でできていたのです。そこで、本来のフリースの特徴をいかし、現代のライフスタイルで心地よく着られるように進化させたのが「プリスティン」です。 さらに今シーズンは、「ナナミカ」とタッグを組んで、特別なリアルフリースのアウターが登場します。
ウールを使用した生地こそが本物のフリース
そもそもフリースとは、現在多く出回っているポリエステルを使用したものではなく、1頭分の刈り取られた羊の毛が絡みあい1枚のシート状になったものです。そこで、「アバンティ」が手がけるオーガニックコットンブランド「プリスティン」では、ウールを使用した生地で作られてこそ本物のフリースと考え、2年の開発期間を経て、2019年秋に、その名も「リアルフリース」を発売しました。 表地はウール100%、肌側には、オーガニックコットン100%の天然素材で作られています。その後、2020年の冬からは、表地のウールパイルを短くし、より軽い素材の「ライトリアルフリース」へと進化しています。生地を触ってみると、本物の羊のようなふわふわ感でずっと触っていたくなります。 リアルフリースは、表側にウール、内側にオーガニックコットンと、縮率が違う天然素材を使用するというプリスティンにとって初めての試みで作られたアイテム。ということは、いつも生産している工場にとっても初めての作業になります。フリースという生地の特性から、綿毛布の製造をお願いしている和歌山県高野口にある「松岡織物」に相談し、糸から開発したといいます。 「むずかしそうで、初めてのことであっても、『やってみましょう。できますよ。』って、作り手のみなさんが言ってくれるんです」(株式会社アバンティ代表取締役社長 奥森秀子さん) 原料、糸、生地、製品をつくる農家や工場に足を運び、顔が見えるものづくりを続けているからこそ、人にやさしくて、地球にやさしいものづくりを共有しているチームができているのだと感じました。 ちなみに、原料のオーガニックコットンはもちろんですが、アニマルウェルフェアの観点からウールにもこだわり、自然なままに育てられた羊から刈り取られたノンミュールジング・ウールのみを使用しています。 アバンティが創業したのが、1985年。まだ、現在のように環境に配慮したものづくりを多くの人が意識していなかったころから、地球にも人にもやさしいものづくりを行っていたからこそ、羊たちにとってもやさしい飼育法で育ち、トレーサビリティが明確なものだけをプリスティンでは使用しています。