「富岳」が10連覇 スパコン世界ランク、2部門でトップ
富士通は18日、理化学研究所と共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、スパコンの計算性能を競う4つの世界ランキングのうち、産業利用などで実際に用いられる演算能力を測る「HPCG」など2部門で10期連続1位を獲得したと発表した。計算速度を競う世界ランキング「TOP500」は6位だった。 【関連写真】実利用での演算能力を測る部門など2部門を制覇した ランキングは、スパコンの研究者らで作る国際会議が毎年2回発表している。 富岳が世界一となったのは、HPCGと、実社会の複雑な現象やビッグデータなどの大規模グラフ解析性能を示す「Graph500」の2部門。 HPCGでは2位の米フロンティアに1.1倍の性能差をつけた。Graph500では、1秒間当たりの処理数が204テラテップスを達成。世界で初めて200テラテップスを超えたという。 TOP500は米エル・キャピタンがトップで、富岳は前回の4位から6位に順位を下げた。人工知能(AI)の開発で使われる計算性能の指標「HPL-AI」は4位で、米Auroraが首位だった。 富岳はスパコン「京」の後継機。世界最高レベルのスパコンとして2021年3月から本格運用が始まり、高度なコンピューティングやAI開発などで利用されている。
電波新聞社 報道本部