「無事に帰れますように…」断崖絶壁、険しすぎる岩肌にスッポリ建てられた“ナゾの神社”…高知県の山奥で“想像を絶する”参拝をしてきた
切り立った岩肌にポッカリと開いた窪み。そこにスッポリと収まるように、神社のお堂がある。とても自力で建築できるとは思えない場所に建っており、異世界を思わせる絶景だ。 【画像】高知県の山奥…険しすぎる岩肌にスッポリ建てられた“ナゾの神社”の写真をまとめて見る こう書くと、鳥取県三朝町にある投入堂を連想される方がいるかもしれない。投入堂は三徳山三佛寺の奥院で、開祖が法力で山に投げ入れたとされている。 ただし、私が同じような異様な姿を目にしたのは四国でのことである。 ◆◆◆ 高知県越知町にある聖(ひじり)神社は、鳥取の投入堂を彷彿とさせることから“土佐の投入堂”とも呼ばれている。とはいえ、三徳山三佛寺の知名度に反して、地元高知県ですら知名度は低く、実際に訪れる人は極めて少ない。 どうやってこんな場所にお堂を建てたのか。いつ誰が建てたのかといった来歴さえ分かっていない。とにかく謎の多い神社である。
車を5時間走らせて向かった“異世界を思わせる絶景”
その風貌と謎の多さに惹かれた私は、早速、現地に向かった。自宅がある岐阜から高速を5時間走って高知市に。そして、高知市から西に進み、聖神社入口まではさらに2時間近くを要した。 道路沿いに駐車場があるが、普通車が5台も入ればいっぱいになってしまう。多くの人が来ることは想定されていないようだ。事実、週末にもかかわらず、駐車場に車の姿は皆無だった。 聖神社へ向かう登山ルートは2つ。最短距離で聖神社に向かうルートと、谷を隔てた対岸の山から聖神社を眺められるルートだ。私はあえて遠回りとなる対岸ルートを選んだ。メインディッシュは最後まで残しておくタイプだ。
おかしな様子の“入り口”
さっそく歩き始めると、入り口から既に様子がおかしい。 廃れてしまった建物があるものの、横を通り過ぎると道が無さそうなのだ。いや、よく見ると道はあるのだが、少々頼りない。 その先では多少頼りがいのある階段になる。グングン標高を稼いでゆく。7時間ドライブしてきた体にはこたえるが、神社を目にしたい一心で登り続ける。 途中、分岐する廃道を見つけたため、寄り道することに。気になるものは解決しておかないと気が済まない。 聖神社への道は最近になって整備された雰囲気だったが、分岐する廃道は古い石積みが築かれており、歴史を感じさせる。少し進むと道が崩壊していたため引き返したが、この付近にはたくさんの道が古くから存在していたことが分かった。 もう一つ気になったことがある。手すりの代わりだろうか、参道に沿って所々にロープが張られているのだが、途中から鋼製のワイヤーに変わったのだ。 直径2センチほどのワイヤーは、とても重いし高価だ。そんな物をロープの代わりに使うというのは、何か理由があるに違いない。 いったいなぜなのか。考えながら30分ほど登っていると、最初の目的地に到着した。周辺の木が切り開かれ、谷を挟んだ対岸がよく見える。そして、その先に見えるのが聖神社だ。断崖絶壁の岩肌に、神社のお堂がすっぽりと収まっている。思わず「うわぁ~」と声が出る。まさに想像を絶する光景だ。 それにしても、とんでもない場所にお堂が建っている。あんな場所まで資材を運ぶとは、とてつもない困難を極めるだろう。この不思議な光景が、聖神社の神秘性を高めている。
【関連記事】
- 【続きを読む】〈写真多数〉集落から遠く離れた山中にある異世界のような光景…現地での聞き込みで判明した“ナゾの神社”に残された“意外な歴史”とは
- 【画像】高知県の山奥…険しすぎる岩肌にスッポリ建てられた“ナゾの神社”の写真をまとめて見る
- 〈店内写真多数〉188店舗のうち159店舗が閉店状態…? “日本一シャッター率の高い商店街”に残る伝説のキャバレー跡「ムーランルージュ」にはいったいなにがあるのか
- 売るあても貸すあてもない、それでも…「日本一のシャッター街」にある“半廃墟状態のキャバレー”を購入したオーナーが明かした“意外な考え”
- 対向車が来たら終わり…ガードレールもない「酷道」の先にある“世にも奇妙なトンネル”に行ってみた