「無事に帰れますように…」断崖絶壁、険しすぎる岩肌にスッポリ建てられた“ナゾの神社”…高知県の山奥で“想像を絶する”参拝をしてきた
道があるようには見えない。いや、とても人間が行けるようには見えない
とても素晴らしい眺望なのだが、対岸のあの神社に行きたい。しかし、ここから見る限りでは、道があるようには見えない。いや、とても人間が行けるようには見えない。が、とにかく行ってみよう……。 谷の向こう側にある聖神社を目指すべく、登ったり下ったりを繰り返し、隣の山へと向かってゆく。すると、沢を渡るために橋が架けられている箇所があった。とはいえ、全長10メートル足らずの小さな橋だ。 橋は丸太を複数本束ねた簡素な造りで、ところどころ木が腐っている。スリルを楽しむことにしよう。 歩き始めて1時間以上、ますます道の状態が怪しくなってきた。あまり安心できないグラグラする梯子で岩場を下り、石の上をピョンピョンと跨いで川を越える。 すると、目の前に全長20メートルはあろうかという立派な吊り橋が現れた。 これまでの道を考えると、とても立派な橋だ。そう思って近づいてみると……。実はそこまで立派でもなかった。 橋の床版は建築現場などで使われる足場で作られていて、大きな隙間が開いている。橋全体が左に傾いており、一歩踏み出すたびに橋は大きく揺れる。高さは数メートルほどだが、下には川が流れていて迫力満点だ。 吊り橋を渡り終えると、重要なメッセージが掲出されていた。 〈注意 3名以上一緒に渡らないで下さい〉 できれば渡る前に教えてほしいところだ。 吊り橋の先は、すぐトンネルになっていた。 通常、橋とトンネルが連続する場合でも、橋桁を載せる橋台や吊り橋を固定する装置等が設けられるため、少しはスペースがあるものだが、それが全くない。 橋とトンネルが完全に連続している。 そして、このトンネルがまた良い。コンクリートなどが使われておらず、ゴツゴツとした岩肌がむき出しになっている。高さは低いところで1.5メートルぐらいだろうか。少し屈まなければ頭を打ってしまう。長いトンネルではないが、内部でカーブしているため明かりが届かず、昼間でも真っ暗だ。懐中電灯で照らしながら慎重に進む。 そうしてトンネルを歩いていると、つい気になるポイントが目につく。
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