約7割が「今の企業で希望のキャリア築けてない」。ビズリーチが調査、「転職」が重要な選択肢に
転職サイトを運営する「ビズリーチ」(東京都)は11月26日、年代別のキャリアの築き方に関する調査結果を発表した。ビジネスパーソンの約7割が「現在所属している企業で希望のキャリアを築いていけない」と考えていることがわかったという。 【グラフ画像】20~50代に聞いた「どのようなキャリアを目指していますか。または築いてきましたか」
どのようなキャリアを目指している?
調査は4月22日~5月5日、ビズリーチの研究機関「ビズリーチ WorkTech研究所」が実施。転職サイト「ビズリーチ」の会員1290人が回答した。 まず、年代別に「どのようなキャリアを目指しているか。または築いてきたか」と質問したところ、年代別に重視する点が違うことがわかった。 20代は「幅広い経験を身に付ける」(73.5%)、「専門性を磨く」(60.7%)、「複数の高い専門性を身につけ、希少性を高める」(30.5%)、30代は「専門性を磨く」(63.4%)、「複数の高い専門性を身につけ、希少性を高める」(50.9%)「幅広い経験を身に付ける」(50.8%)の順だった。 40代は「管理職として経験を積む」(63.8%)、「複数の高い専門性を身につけ、希少性を高める」(49.3%)、「専門性を磨く」(38.2%)、50代は「管理職として経験を積む」(63.8%)、「スペシャリストとして組織の責任者を務める」(38.8%)、「複数の高い専門性を身につけ、希少性を高める」(36.3%)の順だった。 これを見ると、20代はスキルのベースを築くことに重きを置いていることがわかる。30代は自身の強みを明確にし、適切なスキルや知識を深めていく必要性を感じている。 40代はキャリアの分岐点となっており、管理職に進むか、複数の専門性を身に付けるか決断する人が多いことが伺える。50代は「スペシャリストとして組織の責任者を務める」が40代と比べて13.4ポイント高いことから、「専門性を持ちつつ、組織を率いる責任者になる」ことを志向している人が多いと言えそうだ。
「転職をする」が圧倒的に多かった
一方、「現在の企業で希望のキャリアを築いていけるか」と尋ねたところ、29.5%が「そう思わない」、37.1%が「どちらかと言えばそう思わない」と回答した。 つまり、それぞれの年代でキャリア観はあるものの、約7割のビジネスパーソンが希望のキャリアを築いていけていないということだ。 さらに、「希望するキャリアを今後どのように築いていこうと考えているか」と聞くと、「転職をする」が65.2%と圧倒的に多かった。 ほかは「現在の会社に勤めながら副業する」(10.0%)、「現在の会社に勤め続ける(本業のみ)(7.0%)などで、希望のキャリアを築いていくために「転職」が重要な手段の一つと捉えている人が多いことがわかる。 調査結果を受け、ビズリーチWorkTech研究所の友部博教所長は「7割近くのビジネスパーソンが転職をキャリア形成の重要な選択肢として捉えていることがわかった」と振り返った。 従来のように長く同じ企業で働くことが望ましいとされていた時代とは異なるとし、「雇用の流動性が高まってきている現代においては、個人が自身のキャリアやライフステージに合わせて、キャリアにおけるあらゆる選択肢を考えたうえでキャリア設計することが可能となった」とコメントした。 また、「50代以降のキャリアにおける集大成は何かと考えた上で、そこから逆算して20代、30代、40代のキャリアプランを立て、そのために転職をどのように活用していくかを考えることも重要」と指摘。 転職を前提としてキャリアを形成するビジネスパーソンが多くなっている現状を踏まえ、「企業側は従業員のキャリアパスに対する透明性を高めると同時に、成長機会の提供などを通じて従業員が企業内でキャリアを積んでいける環境づくりが求められているといえる」と結論づけた。