都内では「徹夜組」まで発生して長蛇の列… 外国人が“日本各地の運転免許試験場”に殺到しているワケ
「僕は昨日の夜10時から並んでいます。友達から早く来たほうがいいとアドバイスされました。おかげで1番に入れます」 【画像】すごい…雨を避けるために歩道橋の下で“すし詰め”になりながら免許試験場に並ぶ外国人たち 10月下旬の朝5時の東京・府中運転免許試験場の入り口前には多数の外国人が長蛇の列を作っていた。冒頭のように取材に応じたスリランカ人男性を先頭に、中国人やインドネシア人など30人はいるだろうか。なかにはキャンプ用の椅子を持ち込み、仮眠をとる者までいる。別の日に訪れた鮫洲運転試験場(品川区)は開門前から60~70人が並んでいた。 外国人が日本の免許を求め、徹夜までして大挙する理由とはなんなのか――。 「彼らの目的は、自国免許から日本の免許への“切り替え”です。この『外免切替』制度を使った免許の切り替えを求め、日本各地で外国人が免許試験場に殺到しているのです。たとえば神奈川県警察運転免許センターや大阪府の門真運転免許試験場は、予約が4ヵ月待ちだといいます」(自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏) ◆簡単すぎる学科試験など課題は山積み 外免切替は学科試験と技能試験の2つからなる。昨年以降、取得条件が徐々に緩和され、今年6月からは、試験場によって異なりますが対応言語も5言語以下から最高で24言語に増えた。外国人労働者の確保や観光振興を狙ってのことだが、同時に課題も目立つようになりつつある。 「まず学科試験が簡単すぎます。2択問題が10問あり、7問正解すれば合格ですが、それだけで本当に網羅できるのか。法律に加え、運転マナーなど必要な知識は多岐にわたります。試験の容易さからか、昨夏には中国の若者の間で、いかに早く日本の免許を取れるか紹介するチャレンジ動画が流行ったほどです。 ほかにも強制退去命令が出され、仮放免中となっているクルド人でも切り替えができます。日本に住民登録がなくても、ホテルで一時滞在証明書を発行してもらえばその住所で申請できてしまう。受付希望者殺到を受け、府中試験場では11月1日から予約制を導入しましたが、改善点はほかにもあると思います」(加藤氏) 実際に外国人による交通事故は増加傾向にある。なかでも中国人による交通事故は顕著で、昨年はコロナ以降最多となる1571件の事故が発生した。今年9月には、埼玉県で18歳の中国人青年が飲酒運転の末に時速100km以上で道路を逆走し、50代の日本人男性を死亡させる凄惨な事故が起きている。 さらに、日本の免許を“踏み台”に利用する外国人も増えているという。 「たとえば中国は国際的な交通条約に加盟していないため、その免許で運転できる国は少ない。でも、条約に加盟している日本の免許に替えて国際免許を取れば、100ヵ国ほどで運転が可能です」(加藤氏) 外国人の労働人口増加を目的とした「規制緩和」なのだろうが、代わりに国民の命が危険にさらされているのだ。 取材・PHOTO:加藤久美子
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