新NISA 始めた方がいい? 始める前に “お金の整理” も…【#みんなのギモン】
■NISA運用のイメージ しかし「損する可能性」もあるので注意
では実際の運用をイメージするために、金融庁が示している資産運用シミュレーターを使い、毎月一定額を積み立てるとどれだけ増えるのかシミュレーションしてみます。 たとえば、毎月の積立金額を1万円、年利3%の収益が期待される場合、それを金融商品に投資して、積立期間を20年として計算してみると、次のようなグラフになります。
水色の部分が元本、黄色の部分が利益です。計算上、20年目には「88万3000」円の収益が上がるとされ、しかもこの収益には税金がかからないのが、NISAの特徴です。ただし、社会情勢や市場の動向によって、元本自体が割れる可能性もあります。 野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英さんに話を聞くと、「政府が旗振りをしているので損をする可能性がないと勘違いする人もいるかもしれないので、注意が必要」ということです。
■リスク下げるために…「投資の3原則」とは?
次のポイントは「リスクあり 気をつけることは」です。 金融庁は、リスクを下げるため投資の3原則として「長期」「積み立て」「分散」をあげています。つまり、長い期間、一定額をこつこつ積み立てていき、1つの金融商品に集中して投資するのではなく、さまざまな商品に分散させることで、損をしたときのリスクを軽減させようということです。 これに適しているのが「投資信託」です。投資信託とは複数の投資先をパッケージにした金融商品のことで、プロ、運用会社が運用します。 野村総合研究所の木内さんは、しっかり商品を選ぶことが大事とした上で「つみたて投資枠の場合は、そもそもが長期の積み立てに適した投資信託が対象なので、これを選んだ時点でリスクの分散ができる」といいます。 そのうえで、一部は銀行預金に回すなど、リスク分散を自分で考えることが必要だということです。
■長期で投資 リスク避けやすい?
自分の投資に「損が出た」とわかった場合の一般的な対処として、木内さんは「慌てずに一定額を積み立てていくのが長期投資の基本」としています。なぜ、そのようにいえるのでしょうか。 たとえば、アメリカの株価指数「S&P500」の推移を見てみます。 アメリカを代表する500の株式の銘柄で構成されている指数で、これに連動する投資信託もあり、根強い人気があります。