【政治解説】「自民党支持層が離れるのは致命的」内閣支持率7か月連続で“危険水域”その意味とは… NNN・読売新聞 5月世論調査解説
政治資金規正法改正案「最後は押し切る」の声も
【菅原】 なかなか今後の展開を読むというのは難しいことですが、私たちは取材している時に何か“目印”を決めたりしますよね。今、竹内さん何を“目印”にしてますか? 【竹内】 やはり、「“政治とカネ”の問題にどういう答えを出すか」ということにつきるのではないかと思います。それはつまり、「政治資金規正法の改正をどうするか」ということになります。ある自民党の議員は、「次に進むためには、政治資金規正法の改正案を通すしか方法はない」と言い切っていましたし、首相の側近も、「もう(規正法の改正などを)しっかりやっていくしかない」と話していました。 【菅原】 「しっかり」というのはそうでしょうけれど、この件については、まだ自公ですら折り合いがついてないですし、野党を巻き込むとなると、もっと大変ですよね。 【竹内】 そうですね。自民党は他の政党と比べて、圧倒的にパーティーや献金などで民間から政治資金を集めていますから、これが集めにくくなってしまうような改革にはどうしても後ろ向きです。自民党幹部の中には「最後は押し切ることも必要だ」と、暗に“最後は自民党の案で強行採決をすることも考えている”ということをうかがわせる人もいます。 【菅原】 ただ、現実的には、全ての政党にかかわるような法案を単独で押し切るということは、あまりこれまで例がありませんよね。 【竹内】 そうですね。実際、自民党に強行策のような発言があることを受けて、野党のベテラン議員は「政治資金の法案は強行採決する類いの法案ではない。与党の責任で野党の協力を得てやるものだ」「衆議院では、自民党は多数だから押し切れても、参議院では単独で過半数ないから廃案になる」と、けん制しています。確かに単独採決には無理があるように思いますね。もちろん、そういう状況を岸田首相もわかっているようで、「やはりどこかで折り合いをつけなければいけない」と思っているようです。最近、首相に会った人に取材をしたところ、「最後は総理も野党側に妥協してまとめようとしているのではないかと思った」と話していました。ただ一方で、野党に全面的に妥協してしまうと、今度は自民党の中が収まりませんよね。政治資金を集めにくくなってしまったら、やはり「それは困る」という声が上がってしまうわけです。