金利上昇で恩恵を受ける「損害保険セクター」イチ押し銘柄
金利上昇の恩恵を受けやすい業種の1つである損害保険セクター。写真は東京海上日動ビル本館(写真:i-flower/PIXTA)
世界各国で再び新型コロナウイルス感染症の変異株オミクロン型の感染が拡大していることが明らかになり、世界の株式市場は神経質な展開を余儀なくされています。日経平均株価はオミクロン型が報道されてから急落、節目の2万9000円、2万8000円をあっさりと割り込んでしまい、12月1日には一時2万7594円まで下落しました。感染力が強く、現時点ではワクチンの効果がどの程度有効なのかよくわからないといった報道もありますから、株式市場が過剰に反応しているのも仕方ないのかもしれません。 アメリカでは現時点で、ロックダウンは行わないといった発言をバイデン大統領がしています。しかし、すでにロックダウンを行う国も出てきており、依然として長引くコロナ禍が世界経済の動きに今後どういった影響を及ぼすのか、しばらく見極めが必要にはなるでしょう。 さらに、FRBのパウエル議長は、これまで高インフレを一時的と表現してきましたが、これを撤回、量的緩和縮小の終了を急ぐ方針であることを表明しました。30年ぶりといった歴史的な物価上昇が止まらない状況ですから、当然と言えば当然かもしれません。ただ、ガソリン価格の上昇や労働者不足といったさまざまな要因から、すでに生活レベルでは物価上昇が鮮明になった状況ですから、すぐに物価上昇が落ち着くとも思えません。そういった視点で見ると、一時的という言葉を撤回する時期として適切だったのかは、残念ながら数年経ってみないとわからないですね。 ただ、オミクロン型の感染拡大でリスクオフが進んでいたこともあって、アメリカ10年国債利回りはこの発言を受けて上昇しても1.4%台という状況です。コロナショック前の水準あたりでの推移となっていますから、居心地もそう悪くないのではないでしょうか。
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横山 利香