たった1分で効果が! 精神科医に聞いた、緊張したときに“すぐできる”3つの緩和法
私たちの日常はストレスを感じることばかり。家、職場、など場所を問わず、いつでもストレスにさらされています。けれど、ストレスを本当に『ゼロ』にしてしまうと、成長する機会を逃してしまうことも。 そこで今回は、精神科医・樺沢紫苑さんの著書『ストレスフリー超大全』から、誰しもが悪いストレスを感じやすいテーマを深掘りし、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」をご紹介します。 ファクトをつかみ、ToDoを知れば、悩みの9割は解決するとのこと。あとは行動するのみ! 死亡率が5.6倍も上昇!? 知っておかないと怖い、「睡眠不足」が招く心と体への影響
「緊張」に関するある調査によると、「緊張しやすい」と答えた人は8割を超えます。「どんなときに緊張しますか?」という場面別の質問では、「プレゼンテーション」「試験、テスト、面接」「発表会、演奏会」「対人場面(1対1や初めての人と会うとき)」など、誰もが緊張しそうな場面が上位にきます。 こうした場面で緊張せずに、常に100%の実力を発揮できたとするならば、人生を大きく変えるインパクトがあります。 緊張の原因は昔から研究されており、その機序は詳しく解明され、対処法も確立されています。緊張について学んでおけば、誰でも緊張をコントロールできるようになります。緊張が原因の失敗もなくすことができるのです。
【ファクト①】緊張は「味方」だ
「緊張するのは、とてもいいことです」と言うと、大きな反発が返ってきそうです。しかし、脳科学や心理学の分野において、緊張はいいことだと100年以上も前に明らかにされています。 生理学者ヤーキーズ博士とドットソン博士による1908年の研究では、 マウスに黒と白の目印を区別するように訓練し、マウスが色を間違えたときには、電気ショックを与えて学習を促しました。その結果、電気ショックの刺激が適度なときにマウスは最も速く区別を学習し、電気ショックが弱すぎたり強すぎたりすると、学習能力が低下することがわかりました。 つまり、ある程度の緊張感、緊迫感があったほうが、パフォーマンスは上昇するのです。この結果は、緊張が敵ではなく味方であることを示しています。 適度の緊張状態では、ノルアドレナリンという物質が分泌されます。ノルアドレナリンは、集中力や判断力を高め、脳のパフォーマンスを飛躍的に高めてくれます。 ただし、過剰に緊張すると、頭が真っ白になったり、筋肉がこわばったりするので、逆にパフォーマンスが下がってしまうのです。