石破首相が続投に意欲、経済対策で「党派を超えて政策取り入れる」
(ブルームバーグ): 石破茂首相(自民党総裁)は28日午後、与党で過半数割れした衆院選の結果を踏まえた記者会見で、続投へ意欲を示した。早期の策定を目指す経済対策では、野党の政策も取り込んで政権存続につなげたい考えだ。
石破氏は記者会見で、今後の対応について「国政の停滞を避け、政治改革や経済対策に先頭になって取り組む」と明言した。経済対策の策定や補正予算を国会に提出する時期を問われ、衆院選で各党が掲げた主張を踏まえ、「党派を超えて優れた政策を取り入れていく、その中で検討したい」と述べ、野党とも協議する考えも明らかにした。
一方、野党と「今この時点で連立を想定しているわけではない」とした上で、政策協議を通じて信頼関係を構築したいとも述べた。
石破首相は続投に向け、特別国会冒頭の首相指名選挙で無所属や日本維新の会、国民民主党などに協力を求める方針だが、仮に再任されても不安定な基盤での政権運営を強いられる。まずは早期の策定を目指している経済対策で野党の提案を取り込むことで政権存続への理解を求めていくとみられる。
各党のウェブサイトによると、自民は191議席、公明党は24議席で与党は計215議席にとどまり、目標としていた過半数の233議席(定数465議席)に届かなかった。立民は選挙前の98議席から148議席、国民は4倍の28議席に大幅増。自公が過半数割れするのは政権を失った2009年の衆院選以来で、公明は石井啓一代表が落選した。選挙結果を受け、自民の小泉進次郎選対委員長は辞表を提出し、受理された。
28日の東京外国為替市場の円相場は一時1%下落し、1ドル=153円88銭と3カ月ぶりの安値を付けた。衆院選での与党の過半数割れを受けて、政治的な不透明感が嫌気されている。東京株式相場は続落して始まった後に反発し、一時は日経平均株価が2.2%高、TOPIXは1.8%高まで上昇。自律反発を狙った買い注文が入っている。