【Cycle*2024 アルウラー・ツアー:レビュー】サイモン・イェーツ個人総合優勝でジェイコ・アルウラーはビッグミッション達成 JCL TEAM UKYO・岡篤志はモストアクティブライダー受賞で大会史に名を残す!
続く第3ステージこそ、風が選手たちの行く手を阻んだ。分断と合流を繰り返していたプロトンだったが、フィニッシュ前30kmで分断が発生し、後ろではレースリーダーのヴァーレンショルトがバイクトラブル。これで上位戦線からの脱落を余儀なくされた。約30人にまで減った先頭グループでは、たびたびモビスターがアタックを試みるが、エーススプリンターを残した複数チームがそれらをチェック。前に残ったメンバーによるスプリントとなり、戦い方を知るティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)が快勝。チームメートを減らし、最終局面はほぼ単騎状態になりながらも、ファンウーデンらをマークして最後の数百メートルに賭けていた。
第4ステージもメルリールが勝った。残り10kmを切ってからのクラッシュでフアン・モラノ(UAEチームエミレーツ)ら一部スプリンターが後方へと下がったなか、前日にリーダージャージを取り戻していたファンウーデン、ブライアン・コカール(コフィディス)、そしてメルリールがバチバチのポジション争い。dsmフェルメニッヒ・ポストNLが主導権を確保しファンウーデンでのスプリントに備えるが、メルリールがフィニッシュ前300mで早めのスパート。上り基調の最終局面で加速しきれないライバルをよそに一気に駆け上がる。最後はコカールが迫って、並んでのフィニッシュとなったが、タイヤ1本分の差でメルリールに軍配。2日連続の歓喜と同時に、リーダージャージ奪取に成功した。
スピードマンたちの競演が続いたが、最終日だけは色合いが異なった。最大勾配18.8%のハラット・ウワイリドを上り、その後フィニッシュまでの約8kmを急ぐレイアウトを攻略できたのは、やはり総合系ライダーだった。
上りで一番に仕掛けたのはウィリアムジュニア・ルセルフ(スーダル・クイックステップ)。これを合図に、サイモンが登坂ペースを上げる。本来はここで独走に持ち込みたかったというが、フィン・フィッシャーブラックとラファウ・マイカのUAEチームエミレーツ勢がしぶとく食らいつく。3人はルセルフに追いついて、そのまま頂上へ。フィニッシュまでは平坦とあり、上りで引き離せないとなるとフィニッシュ前での勝負に集中するほかなかった。
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