「発煙筒」ではなく「発炎筒」には期限があるってご存知でした? 期限切れならLED式への交換がオススメ…理由を解説します
いざ使おうとしたときに着火しづらいことも
クルマの助手席側の足元に装着されている発炎筒。主な使用用途は、高速道路上で停止した場合以外にも、踏切内で車が動かなくなった場合など、非常時に使用します。この発炎筒には、じつは有効期限があるので要注意です。 【画像】クルマに乗る前に事前にチェック! 緊急時に使用する「発炎筒」を見る(全6枚)
たとえ未使用でも買い替えておくのが基本
保安基準で常時その設置が義務づけられている発炎筒。ときどき「発煙筒」という表記も見かけるが、それは誤記で、正式名称は「自動車用緊急保安炎筒」となる。略称も「発炎筒」が正しい。 この発炎筒には下記の4つの基準がある ・自然発光式であること ・夜間に200m離れた距離からでも確認できる赤色光を発するもの ・使用に便利な場所に備え、容易に取り外しができること ・JISの「自動車用緊急保安炎筒」の規格又は同等程度以上の性能があること このうち厄介なのは、4番目の「JISの規格又は同等以上の性能」という項目で、日本工業規格(JIS)では、発炎筒の有効期限を4年間と定められている。つまり厳密にいえば、発炎筒は未使用であっても、4年ごとに交換する必要があるわけだ。 ただし、有効期限切れの発炎筒でも、罰則はなく、陸運支局でユーザー車検を受ける際も、有効期限までチェックされることはほとんどないのが実情。とはいえ、いざというとき「着火しづらい」「炎が小さい」「雨、風によって炎が消える」といった劣化症状が出て、使い物にならないのも困る。有効期限が来たら未使用でも買い替えておくのが基本だ。
LED式なら有効期限がない
そして、これまでクルマに積んでいた発炎筒は、有効期限切れとはいっても火薬なので、個人が家庭ゴミとして処分するのは厳禁。ディーラーや整備工場、大手カー用品店などに持ち込んで、処分してもらうしかない。新しい発炎筒を購入したお店で、古い発炎筒を引き取ってもらうのが一番だ。 また近年は火薬式に代わってLED式の非常信号灯も普及してきている。LED式は有効期限がなく(電池の寿命はある)、下記のようなメリットがある。 ・10時間以上の連続点灯が可能(火薬式の燃焼時間は5分以上……) ・煙が出ないため、トンネル内でも使用可能 ・1度きりでなく、何度でも使用できる 価格も火薬式が700~1000円ぐらいなのに対し、LED式は1000~2000円ぐらいで購入できる。電池は少なくとも車検ごとに交換する必要はあるだろうが、次の車検の際には、LED式の発炎筒に交換しておくのがおすすめだ。
藤田竜太(FUJITA Ryuta)