太陽HDがDICとの経営統合検討、JIPが協力の可能性も
(ブルームバーグ): 化学メーカーの太陽ホールディングス(HD)が同業のDICとの経営統合を検討していることが分かった。複数の関係者が明らかにした。
同関係者らによると、取引において太陽HDは国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)と協力する可能性がある。両社はアドバイザーと協力しながら、経営統合の可能性について予備的な評価を行っているという。
報道を受けた7日の東京市場では、両社株が寄り付きから買い注文を集める展開となった。太陽HD株が一時前日比17%高の4680円、DIC株は同6.8%高の3599円を付ける場面があった。
太陽HDの時価総額は約2300億円で、DICの時価総額は約3200億円。太陽HDとDICは2017年に資本業務提携を結び、ブルームバーグのデータによると、DICは太陽HDの株式を19.25%保有する筆頭株主となっている。またDICの第2位株主は、香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントとなっている。
関係者は、経営統合は検討中であり取引が成立しない可能性もあると述べた。太陽HDの広報担当者はコメントを控えた。DICは当社が発表したものではなく、またそのような提案を受けた事実はないとの見解を示した。JIPには電話でコメントを求めたが、得られなかった。
両社はともに印刷用インクのメーカーとして創業。太陽HDはエレクトロニクス業界向け化学品の製造・販売なども行っている。DICは印刷用インクのほか、有機顔料や樹脂なども手掛ける。
--取材協力:鈴木英樹、吉田昂、谷口崇子.
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Crystal Tse, Manuel Baigorri