「パラと健常に壁はない」パリパラリンピック卓球最年少代表・舟山真弘選手 初の大舞台へ
「まなざしが1人だけ違った」実演デモの相手に指名
2月、福島・南相馬市で開かれた浮舟杯。 大会前日の講習会で舟山を初めて見た。 東北・関東の社会人・大学・高校・中学・小学・幼稚園児まで、約400人が一堂に会して行われた講習会。 講師は東京富士大学の西村卓二監督だった。 約400人が1台の卓球台を囲む中で行われた実演デモンストレーション。 西村監督は急きょ、舟山を相手に指名した。 東京富士大学・西村卓二監督: 講演をしていて、まなざしが1人だけ違ったんですよ。小学生・中学生など400人ぐらいいたけど、あいつの目がね、話をする私を真っすぐ見返してくる。それで実演の時、指名したら右腕に装具をつけ始めた。急なことだったのに、うれしそうに喜々としてラケットを持って駆けてきた。そこで初めて気がつきました。うわさでは聞いていたが、彼が早稲田の舟山かと。 卓球界きっての熱血漢と舟山の“熱いデモンストレーション”は、予定の時間を超えて行われた。 選考レースでプレッシャーを抱えながら海外を転戦する舟山にとって、貴重な体験だったという。 舟山真弘選手: 人前に出ることは嫌いではないです。久々に卓球の奥行きを感じました。年齢とか体格とか関係なくできるのは卓球の良さですよね。この1年間、パラの大会にたくさん出てもそこは変わらず、そう思っています。健常の学生の大会にも積極的に出場して勝ちたいです。
コーチ「予定よりちょっと早くなった」
パリパラリンピック卓球クラス10の出場権は14枠。 各大陸・地域王者5人、世界ランキングから6人、最終予選、招待など3人。 舟山はオセアニア王者が欠場し、世界ランキング枠で繰り上がり、出場権を得た。 舟山選手パーソナルコーチ・伊藤誠さん: 当初の私たちの目標は2028年のロサンゼルスだった。今回はギリギリで出場権を獲得できた。思いがけず予定よりちょっと早くなった。だからパリでは、思い切って自分の力を出し切ること、そこに全力を注いでほしい。結果は、後からついてくるはずです。 3年前、テレビで見ていたパラリンピック。 舟山は夢を現実に変えた。 舟山真弘選手: 卓球は2日目から試合があるので、たぶん開会式には行けないですね。ただ閉会式の前日に試合が終わるので、閉会式は楽しみにしています。