高輪ゲートウェイ駅周辺の「再開発」 JR東日本のプレスリリースが抽象的でよくわからないので、自分なりに調べてみた件
データ駆動型都市運営の最前線
高輪ゲートウェイシティでは、JR東日本がKDDIの技術を活用し、さらに高度な利用を目指している。KDDIのプレスリリースによれば、 「街の施設・人に関するデータや両社の自社データをかけ合わせ、デジタル上でシミュレーションを行いリアルの街にフィードバックするデジタルツインを実施します」 とされている。 「デジタルツイン」とは、現実空間に存在する人や物、出来事などのデジタルコピーをサイバー空間に表現する先進技術のことだ。都市OSとデジタルツインの関係をわかりやすく説明すると、次のようになる。 1.都市OSがデータを集める 鉄道やバスの運行状況、人の流れ、建物の状態など、街のあらゆるデータを集める。 2.都市OSがデータを整理して提供する 「この場所には今どれくらいの人がいるか」「次の電車の混雑状況はどうか」などの情報を整理し、提供する。 3.デジタルツインがデータを使ってバーチャルな街を作る 集めたデータを基に、コンピューター上でリアルな街を再現する。例えば、建物の3Dモデルや人々の動きなどをシミュレーションする。 4.デジタルツインでシミュレーションし、結果を都市OSにフィードバック 人流や混雑、施設の稼働状況などを分析・予測し、例えば「この電車は90%混んでいるが、10分後の電車は40%」や「この経路は火災の影響が少なく、避難に最適」などの結果を都市OSに送る。 5.都市OSがデータを活用 都市OSは、シミュレーション結果をユーザーに提供したり、駅の案内板やアプリで情報を表示したりする。必要に応じて、ダイヤやルートの調整を行い、現実の街に反映させる。 このように、都市OSがデータを集め、デジタルツインがシミュレーションし、その結果が都市OSにフィードバックされ、現実の街の運営に反映される。 高輪ゲートウェイシティでは、このシステムを活用して、オフィスの入退場記録データや鉄道データ、商業データを組み合わせ、快適な環境の提供や防災対策、自立走行ロボットの運用などを進めていく予定だ。