「自分でやったほうが早い病」かかる人の“根本原因”。リーダーがこう考えると、組織はダメになる
ローワーマネジメント……組織内では、一般社員や主任、係長に当たります。「ちゃんとやる人、実行する人」です。現場をうまくまとめるのが主な役割で、上からの指示を徹底して実行することが求められます。 ミドルマネジメント……課長、マネージャーに当たります。「なんとかして目標を達成する人」で、自分の部署の目標達成に責任を持ちます。自分で直接実務は行わずに、チーム全体の力でなんとかして目標を達成する方法を考え、実行します。
このクラスの人が自分で仕事をして目標を達成したとしても、それが評価につながるわけではありません。部下にやってもらって目標を達成することで、初めて評価されます。 トップマネジメント……ひと言で言うと「決める人」であり、会社経営に携わる人です。経営方針や経営戦略を決定するのが仕事です。マネージャーから上がってくる情報を精査し、それらをもとに意思決定を行います。具体的に何かを実行するのではなく、マネージャーがした仕事の責任をとるのが仕事です。
このクラスの人の仕事は3つしかありません。「旗を振ること」「成果に対して感謝すること」、そして「部下の失敗やミスの謝罪をすること」です。自分1人では何もできませんので、忍耐力をものすごく鍛えられます。ある映画の中で、「リーダーの一番の仕事は許すことだ」というセリフがありました。「本当にその通りだなぁ」と私も日々実感しています。 この3つのマネジメントレベルは、レベルによってルールがまったく違います。そのため、役職が上がってルールが変わったときに、自分の慣れ親しんだやり方を続けようとしてもうまくいきません。
たとえばソフトボールと軟式野球と硬式野球の3つは、見かけは似ていますがルールが違います。硬式野球のルールのままでソフトボールをしても、うまくいかないだろうというのはわかりますよね。 3つのマネジメントレベルも、一見似ていますがまったく性質が違うので、前のやり方だとうまくいかないのです。 ■マネジメントレベル別の必要スキルの割合 カッツモデルでは、マネージャーが効果的に仕事を遂行するために必要なスキルも3つに分類しています。テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つです。