斎藤・兵庫県知事パワハラ疑惑 百条委証人尋問始まる「こんな叱責、人生初めて」「否定、腹立たしい」
斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラを告発した文書問題で、兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」か23日、非公開で開かれた。 【画像】百条委員会が開かれた兵庫県議会「大会議室」 この日は、斎藤知事のパワハラ疑惑について、県職員6人を対象に尋問した。尋問は初めてとなる。証人保護の観点から、氏名や出頭を求めた理由は明かさなかった。 斎藤知事は次回・30日に出頭し、公開での尋問が行われる。 県職員約9700人に向けたアンケートの中間報告(8月5日までに回答があった約4500人分)もあった。パワハラについて「見聞きしたことがある」との回答は1750人(38.3%)。 自由記述欄には、▼公用車で知事が激怒して座席を蹴った▼机をたたく、ペンを投げる▼知事が出席する行事にマスコミが2社以上来ていないと怒る、といった事柄が記されていた。 この日の尋問では、知事が最高幹部に対して文具を投げたという証言もあった。 また、「知事が訪問先で20メートル歩かされたことを叱責したこと」については、告発文に書かれていたことと同じだったという。 一方、「視察先でエレベーターに乗り損ねたことに激怒して、県職員に大声で怒鳴りつけた」ことについて、ある職員は「はっきりと覚えていない」と答えたが、明確に否定はしなかったという。 6人から明確に「(自身が)パワハラを受けた」という証言は得られなかったが、 知事の叱責、舌打ちの原因について「(施策について)聞いていなかった」ことが挙げられた。 また、「人生で初めてこうした叱責を受けた」と、理不尽さを訴える証言もあった。 ある職員は、知事が定例会見(8月20日)で、アンケートに寄せられた知事のパワハラ行為の数々を否定する姿に「知事は開き直っている。腹立たしい」と話した。 百条委の奥谷謙一委員長は、委員会後に取材に応じ、「重要な証言が得られた。大変なプレッシャーもあったと思うが、しっかりと受け止めて、内容を精査したい」と話した。 斎藤知事は、さまざまなパワハラ疑惑について「業務上、必要な範囲の指導だった」と述べ、パワハラには当たらないという認識を示している。 百条委はこの点を重要な論点としており、30日に公開で行われる斎藤知事の証人尋問で、「必要な指導」に対する知事自身の認識を改めて確認するとしている。 このほか、委員からは「証言した職員の勇気に感謝したい」「(知事からの)厳しい言葉もあり、その職員が自分の無力さに対して自責の念を示しているようだ」との声もあがった。 ■「公益通報の結果出るまで待てないか」進言あった? 告発文書を作成した元県民局長の男性に対する懲戒処分の経緯について証言した職員もいた。 部下が「公益通報の調査結果が出るまで処分しないほうが良いのではないか」と進言したが、県は公益通報にはあたらないと判断、処分した。 この件について斎藤知事は23日、改めて「処分は適切だった」と述べた。
ラジオ関西