ロンドン五輪銅メダル清水がプロ4戦目にTKOで東洋王座奪取「来年世界獲る」
ロンドン五輪の銅メダリスト。昨年9月にプロ転向してからプロ4戦目でベルトを巻いた。 同じくロンドン五輪の金メダリスト、村田諒太(帝拳)に3年も遅れてプロ転向したが、先にベルトと名のつくものを腰に巻いたのは、清水の方だった。 「ちょっとだけ先に。あいつ、まだベルトをとっていないから」 今月22日に、その村田は疑惑の判定で敗れたWBA世界ミドル級王者のアッサン・エンダム(フランス)と再戦する。 ロンドンの五輪選手村にあるマクドナルドに、毎日のように一緒に通い、減量に苦しんでいた清水は、そこまで減量の厳しくなかった村田を羨ましがりながらも、そのジョークに励まされた。 「村田も勝って世界チャンピオンになってもらいたい」と、共に戦った盟友へエールを送る チャンピオンメーカーである大橋会長は「来年には必ず清水に世界戦をやらせる」と断言した。 もし5戦目での世界奪取となれば、田中恒成の記録に並ぶ最速世界奪取の日本記録だが、「まだ経験は必要。もし今日が世界戦ならば、3ラウンドで終わっている。フェザーの世界戦はそれほど簡単ではない」とも続けた。 この日、被弾したシーンを見ると、まだ場数を踏むことは必要なのかもしれない。ただ、スタミナは十分。サウスポーでガードを下げた変則スタイルで、WBO世界Sフライ級王者の井上尚弥がお墨付きを与えるほどのパンチ力があり、インファイトも得意ならば、世界挑戦を見てみたい気持ちになることも確か。 フェザー級には、WBAスーパー王者、WBCダイヤモンド王者のレオ・サンタ・クルス(メキシコ)が君臨。そのサンタ・クルスとの再戦が噂されるWBA同級レギュラー王者アブネル・マレス(メキシコ)や、WBC王者のゲーリー・ラッセル(英国)、トップランク社が売り出し中のWBO王者のオスカル・バルデス(メキシコ)ら、この階級には、世界のリングで戦う強豪王者が揃っている。 だが、そのバルデスに9月に挑戦、0-3判定で敗れたが、途中、ダウンを奪うなど見せ場も作ったジェネシス・カシミ・セルバニヤ(フィリピン比)とは、ジムでスパーを繰り返し、清水が圧倒するなど、世界のレベルがどれくらいのものかは、肌で感じてはいる。 「きょうは会場が盛り上がったので良かった。次は世界チャンプです」 いつもよりトークが控えめの遅れてきたメダリストは、お約束のコメントを忘れていなかった。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)