チュニジア大統領選、現職のサイード氏が地滑り的勝利の見込み
Tarek Amara [チュニス 6日 ロイター] - 北アフリカのチュニジアで6日行われた大統領選挙は、現職のサイード大統領が圧勝する見込みとなっている。 投票終了後に選挙管理委員会が発表した投票率は27.7%で、2019年大統領選挙の決選投票の半分にとどまった。 国営テレビによると、正式な結果は7日夜まで発表されないが、調査会社シグマによる出口調査ではサイード氏の得票率は89.2%に達した。 サイード氏は国営テレビに対し、「これは革命の継続だ。われわれはこの国を建設し、腐敗者、裏切り者、陰謀家を一掃する」と表明した。 野党「人民運動」のマグザウイ候補と、有罪判決を受けて先月収監されたザメル候補の陣営は出口調査の結果を否定し、実際の結果は異なるだろうと述べた。 首都チュニスではサイード氏の支持者が街頭に繰り出し、同氏の写真やチュニジア国旗を掲げ、「国民は建設と発展を望んでいる」などと唱えた。 チュニジアは11年の民主化運動「アラブの春」が成功した唯一の例と称賛された。しかし経済の低迷とエリート層の腐敗に対する国民の怒りが幻滅につながった。 19年に大統領に就任したサイード氏は権力に対する制度的・法的な歯止めを取り除く一方で、民主的な成果の多くを台無しにしてきたと人権団体は批判している。同氏は21年に議会を解散し、憲法を修正した。