バイデン氏が次男ハンター氏を一転恩赦 不法に銃所持と脱税
バイデン米大統領は1日、次男ハンター氏に対して恩赦を与える署名をしたとの声明を発表した。ハンター氏は銃を購入した際に薬物依存を申告しなかった事件で有罪評決を受けたほか、脱税などの罪に問われた事件の裁判でも有罪を認めていた。バイデン氏はこれまで、ハンター氏に恩赦を与えない考えを示してきた。これを覆し、自身の権限を家族の利益のために使う今回の行動には、批判が高まりそうだ。 バイデン氏は声明で「私は司法制度を信じているが、この件について熟考するうちに、政治的な思惑がこのプロセスに影響を及ぼし、司法の誤りにつながったと考えるようになった」と主張。「父親であり、大統領でもある私がこのような決断に至った理由を、米国民の皆さんに理解していただければと思う」と理解を求めた。 しかし、バイデン氏は2024年6月の米ABCテレビのインタビューで、ハンター氏に関する裁判の結果を「受け入れるのか」と聞かれて「イエス」と答え、ハンター氏の恩赦を否定するかとの質問にも「イエス」と答えていた。 ハンター氏は18年10月に東部デラウェア州の銃販売店で、自身の薬物依存について申告せず、書類に虚偽の記載をして回転式拳銃1丁を購入し、不法に拳銃を約11日間所持したとされ起訴された。デラウェア州の連邦地裁の陪審は24年6月、3件の罪状すべてで有罪とする評決を出した。量刑は12月12日に言い渡される予定だ。 また、ハンター氏は16~19年分の税金少なくとも140万ドル(約2億円)を支払わなかったとして脱税罪などで起訴された。ハンター氏は24年9月に西部ロサンゼルスの連邦地裁に出廷して脱税罪など九つの罪を認めた。量刑は12月16日に言い渡される予定だ。【ワシントン西田進一郎】