亀岡偉民元衆院議員を書類送検 衆院選公示直前、選挙区で寄付行為疑い
10月27日投開票の衆院選を巡り、福島県警は26日、選挙区内で公示直前に現金計24万円を配ったとして、公選法違反(寄付行為)の疑いで福島1区で立候補し、落選した亀岡偉民元衆院議員(69)=自民、当選5回=を書類送検した。県警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。県警は亀岡元議員の認否を明らかにしていない。 書類送検容疑は10月上旬~中旬までの間、二十数回にわたり福島市や二本松市で実施された複数の秋季例大祭などで、参加した町内会などの団体に対し現金計24万円を寄付した疑い。県警は11月中旬に亀岡元議員の自宅や後援会事務所などを捜索し、関係書類や携帯電話などを押収。亀岡元議員や秘書から任意で事情聴取するなど裏付け捜査を進めていた。 捜査関係者によると、寄付したとされる祭礼は計6件。福島市の4件に加え、区割り変更に伴い選挙区となった二本松市の祭礼も2件含まれていた。亀岡元議員は会員でないにもかかわらず「会費」などの名目で、のし袋に入れて現金を5千~1万円を渡していたという。名義は本人や、本人が所属する団体「福島メセナ協議会」としていた。 公選法は、政治家が選挙区内の有権者に金銭や物品を提供することを寄付行為として禁じている。罰金刑が確定すれば原則5年間、公民権が停止される。 亀岡元議員は栃木県下野市出身。早大教育学部卒。2005年の衆院選で初当選、文部科学副大臣や復興副大臣などを歴任した。旧安倍派に所属しており、党派閥裏金事件では政治資金パーティー還付金を政治資金収支報告書に記載しなかったとして今年4月、幹事長注意を受けた。衆院選落選を受けて今月6日、党県連会長を辞任していた。
福島民友新聞