【MLB】 ナ・リーグ新人王はスキーンズか、メリルか 両候補を比較 新人王はあす発表
今週のMLBは今季のアウォードの発表が多く予定されている。口火を切るのは、あす日本時間19日に予定されている新人王の発表だ。今季のナ・リーグの新人王争いはジャクソン・メリル(パドレス)とポール・スキーンズ(パイレーツ)による一騎討ちの様相を呈しており、どちらが新人王に輝くのかが注目されている。 開幕前から球界最高のプロスペクトとして期待されたスキーンズは、見事にその期待に応えるパフォーマンスを見せた。スキーンズは23先発(133回)で11勝3敗、防御率1.79、170奪三振を記録。5月にデビューしたにもかかわらず、7月のオールスターでは先発投手に選ばれた。 対するメリルも、スプリングトレーニングの活躍で正中堅手のポジションを勝ち取ると、156試合で打率.292/出塁率.326/OPS.826、24本塁打、90打点、16盗塁を記録。これまで経験がなかった中堅守備でも素晴らしい成績を残した。 近年、アウォード投票で重視される総合指標WARで見るとどうだろうか。「ベースボール・レファレンス」社が出すbWARではスキーンズが5.9、メリルが4.4と、スキーンズが一歩リード。それに対し「ファングラフス」社が出すfWARではメリルが5.3、スキーンズが4.3と逆転する。同じWARでも数値が食い違うのは、算出に用いる指標が異なるためだ。WARを見る限りでは、セイバーメトリクスの指標からも、この2人に明確な優劣をつけることは難しい。 成績の部分を離れたとしても、両者はそれぞれ鮮烈な印象を残している。メリルは今季のMLBトップとなる、9回以降の5本の勝ち越し・同点弾を記録。これは新人では1961年以来の記録で、勝負強い活躍でパドレスのプレーオフ進出に貢献したことを物語っている。一方、スキーンズも歴史的な活躍を見せた。スキーンズの防御率1.96は、20先発以上した先発投手の中では1913年以来最高の数値。新人王の有力候補であるだけではなく、規定投球回に達していないながら、ナ・リーグのサイ・ヤング賞ファイナリストにも残った。 歴史的な活躍を見せたスキーンズと、チームをプレーオフに導いたメリル。稀に見るハイレベルな新人王争いはどう決着するだろうか。