若手社員ほど当てはまる…「こんなレベルの低い相談、上司にはできない」“早期離職に至る人”の思いがけない本音
離職率改善のために「キャリア保健室」を発足
課題解決の具体策として2022年4月に組成したのが、「エンプロイーサクセスグループ」という「所属社員の成功体験支援」を目的にした組織です。この組織を社内で浸透させるために別名「キャリア保健室」と名付けて社内広報を始めました。 この組織の特筆すべき点は、 ●所属メンバー7名全員が本組織の専任メンバーであること ●所属メンバーそれぞれが独自の専門性(資格を保有している面々で構成されていること(キャリアコンサルタント、パーソナルトレーニング、保育士など) にあります。加えて所属メンバーは採用や人事、そして評価などの職責や権限を一切保有しておりません。教育と面談フォローの側面から従業員満足度(ESの向上のみをミッションに活動し続けることも、「キャリア保険室」の大きな特異性の一つであると考えています。 「キャリア保険室」メンバーの具体的な活動内容としては、 ●2週間に及ぶ入社時研修の講師業務 ●伴走支援プログラムの実施(新入社員一人ひとりに対して専任のメンバーがその後1年かけて継続的に面談を行う ●相談マップ(図表)をベースとした指名面談対応(相談ごとを抱える社員が相談内容や自分のタイプに応じて相談相手を自らが指名できる ●エンゲージメントサーベイの定期運用と分析 といったものになります。
取組開始から1年で「入社1年以内の離職」が66%減少
「キャリア保険室」発足1年目で、同年に入社した146人のうち退職者は5人と前年比6割以上の減少。離職率は3.4%(9%DOWN)にまで低減させることに成功しました。カンパニーCEOとして、発足から短期間でこのような目覚ましい定量成果が生まれたことは良い意味で「想定外」でした。伴走支援した入社1年目の社員が目標達成をして表彰されている姿や、相談マップを活用した指名相談後に明るい表情でオフィスに戻ってくる姿を見て心から嬉しく感じます。 自分が所属する会社の中に第三者的な立場で悩みを聞いてくれる人がいることは、コミュニケーションが分断されやすい時代や働き方を強いられる中において心の平穏や繋がりを感じられる状態を生み出し、結果として離職者の低減に繋がったと感じています。 肝心な営業支援事業の業績におきましても、ウィズコロナ期そしてアフターコロナ期を昨対比2ケタ成長で拡大させることができました。