若手社員ほど当てはまる…「こんなレベルの低い相談、上司にはできない」“早期離職に至る人”の思いがけない本音
ある程度の早期離職は「致し方ないもの」と捉えていたが…
このような状況は、人材ビジネスの中でも営業に特化したBPOサービスを展開し、年間100名を超える採用を行う弊社のセールスカンパニーにおいても顕著でありました。 加えて弊社では、「入社1年以内の離職」という事象にも同時に向き合わなければならない事情がありました。しかしながら、その主たる要因は ●クライアントワークという働き方 ●採用対象者が20代前半から30代前半という若手層 ●営業未経験者(職種転換者)多数 という、環境要因と採用ターゲットの掛け合わせによって発生しているものでした。そのためこの事象はある種の「必要悪」という整理をしていたこともあり、事業運営上の課題とは捉えていなかったのです。 ところがウィズコロナ期の真っただなかである2021年4月~2022年3月において、入社1年以内の離職率が12.5%(入社120人中15人が離職)と過去最高を記録。このことを受け、早期離職を本格的に課題と捉え、打開策を検討し実行に移すべく現場で働く所属社員の実態調査を行うことを決意したのでした。
社員の生の声からわかった早期離職率「過去最高」の要因
弊社ではウィズコロナ期において、フルリモートというワークスタイルで業務を行っていたこともあり、テレワークが生み出すコミュニケーション問題を中心に、キャリア不安問題、そして入社前と入社後のGAP問題が多発している状況であることが調査を通じて見えてきました。 以下に記載するのは、具体的な所属社員が持ち合わせていた生の声の一部ですが、 ●「悩みはあるが誰に相談すればいいのかわからない」 ●「こんなレベルの低い相談は、直接の評価者である上司にはしづらい(できない)」 ●「相談しようと思ったものの、上司のスケジュールがオンラインMTGで埋まってしまっている」 ●「とりとめのない雑談レベルのコミュニケーションを取る機会が少なく、閉塞感がある」 ●「同期の営業成果に遅れを取っていると感じる。自分は営業職に向いていないのでは?」 ●「上司の言葉が最初はアドバイスに聞こえたが、徐々に指摘に聞こえてしまうようになった」 ●「先輩社員の成功談や失敗談を聞く機会がない」 ●「オンラインコミュニケーションのみの関わりのため、繋がりを感じづらい」 といった感情や思いを意図せず抱かせてしまっているということに気付きました。 また、これらの傾向は社歴やビジネス経験の少ない「社内ローキャリア人材」であればあるほど色濃く感じている感情そのものであったということも、生の声の集計と分析を通じて考察しております。