中核派全学連、初の女性トップ「共産党が右に寄っている」「巨大デモをもう一度作り出すことが課題」社会を変えるのに暴力は必要?
■矢嶋尋氏(25)が中核派に参加した経緯「労働者の立場に立って闘うのが中核派」
矢嶋氏は1999年千葉県出身で、2018年に学習院大学へ入学した(現在休学中)。2020年に、音楽の趣味が一緒のSNSフォロワーに誘われて、中核派の集会に初参加した。そこで「この時代に『革命』を目指している人が、こんなにたくさんいるんだ」と、集会の熱量に圧倒されて全学連に参加した。そして今年9月、委員長に就任した。 高校生の頃から政治に興味を持ったが、「日本共産党をはじめとしたリベラル勢力が、民衆のために闘っていない」との不信感を抱いた。2015年の安保法制をめぐっては、国会前の大規模デモも起きたが、「社会を根底から変えていく方向に向かうのではなく、左翼政党が投票を呼びかける運動に流れたことが、衰退の大きな要因だ」と指摘する。 共産党が「野党共闘」路線にかじを切ったことで、「天皇制も自衛隊も容認し、右にすり寄っていると、違和感と不信感を覚えた」。そんな時に中核派と出会い、「労働者階級や民衆の立場で闘い、信頼できると思い活動を始めた」と振り返る。 中核派に対しては「すごくいいイメージがあった」という。「両親は普通の人で、周囲にも左翼はいない。大学入学当時は、天皇が代替わりする時期だったが、日本共産党が立憲民主党などにすり寄るのを見て、『左翼の姿は、これでいいのか』と思った。一貫して天皇制反対を貫いている中核派に信頼を置いた」。 信頼を置いた理由については、「日本共産党は、労働者がストライキを打つことにすら敵対してきた歴史がある。労働者が人間らしく生きる社会を作るために、労働者の立場に立って闘うのが中核派だと思っている」と語る。 委員長として、今後どのようなビジョンを持っているのか。「戦争情勢が厳しく、米軍が先日公開した航海計画でも、『2027年に中国との戦争の可能性に備えて、能力強化を図る』と公然に書かれている。全学連は創立以来、戦争に反対する学生の運動だ。70年安保の沖縄闘争を超えるような巨大デモを、もう一度作り出すことが課題だ」。