「カメヤマローソク」80歳の女帝が寵愛する「年下の男」 相談役に迎え入れ住居やクルマを提供
三十数年前の花子会長(創業80年史より)
傘寿を迎えてもなお、女帝の専横ぶりは健在だった。 売上高は85億円を超え、ローソク製造における国内シェアの半分近くを握る、「カメヤマ」(本社・大阪市)。藍色のパッケージに入った神仏用ローソクセットを手にしたことのある向きも少なくないはずだ。 創業は1927年2月。100年近い歴史を誇るカメヤマで、「お家騒動」が勃発したのは2015年4月のこと。当時71歳の谷川花子会長主導のもと、取締役会に解任動議が提出され、谷川晋(すすむ)社長がその座を追いやられた。独自路線を歩み出そうとしたために、花子会長の反感を買ったからだった。しかし、花子会長にとって、晋社長は一人娘が社内結婚した相手。つまり、姑が娘婿を放逐したのだ。 カメヤマは谷川家による同族経営会社として知られ、花子会長は三代目社長の妻に当たる。子育てが一段落した35年前にカメヤマ入りし、輸入キャンドルの販売を手掛ける「キャンドルハウス事業部」を発足させた。創業者一族の道楽と冷ややかに見られていたものの、結果として成功を収め、女帝としての地位を築いた。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より)
本文:2,680文字
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「週刊新潮」2024年4月18日号「MONEY」欄掲載