「ファンと結婚」女性熱波師・レジェンドゆう 10年かけて築いたサウナでの絶対ルール
■サウナでの「絶対ルール」 ── レジェンドゆうさんのアウフグースを受ける際は、絶対に守ってほしいルールがあるそうですね。
レジェンドゆうさん:「睡眠時間が5時間以下の方」「空腹過ぎたり満腹過ぎたりする方」「お酒を飲んでいる方」はご案内ができないということを、サウナに入る前に伝えています。やはりひとつでも該当されると危険が伴います。 サウナの中に入っても、下は向かない、足を組まない、寄りかからないと注意します。熱い室内で下を向いていると倒れるリスクも高くなりますし、表情が見えにくいと体調管理がしにくくなります。寄りかかると後ろに人が座れません。また、足を組んでしまうと、他のお客様の動線が悪くなるほか、ご自身の汗腺をつぶしてしまいます。
私の場合は、ルール違反があれば強制終了することもありますが、そうするとお客様から「ちゃんと守れよ」という声が上がって解決することもあります。 今、若い熱波師もたくさん出てきているのですが、10年くらい続けているので、これまでさまざまな局面に立ち会うことがありました。過去には、ルールを守らず、倒れて運ばれた方もいらっしゃいましたし、サウナの中で熱風を送る手を止めずに注意喚起をしていても、「説明が長い」と言われたこともありました。ただ、長年この仕事を続けてきて思うのは、やはり安心安全が一番だということです。
約束を守って、一緒に気持ちよく汗を流しましょうと伝え続けた結果、今ではほとんどルール違反の方はいなくなりました。ファンの方に支えられて活動ができているなと感じています。 ── 熱波師には、どんな方が向いていると思いますか。 レジェンドゆうさん:自分よりもお客様を優先できる方かなと思います。自分のすごいところを見てほしいというよりも、お客様への気配りができる方です。お客様に対してだけではなく、施設のスタッフの方への対応もそうです。人から見られて脚光を浴びますし、サウナブームもあってかっこいいと尊敬されるようになったのが、熱波師が広まってきた理由ではないかと思っています。
その人その人で手法は違いますし、パフォーマンスだけに特化する方もいらっしゃるのですが、個人的にはお客様を第一に行動できる方にこの世界を目指していただきたいですね。 PROFILE レジェンドゆうさん プロ熱波師。ドイツサウナ協会公認アウフギーサー。熱波甲子園にて、パフォーマンス部門優勝、2年連続ソロ部門準優勝、アウフグース選手権3位などの実績を持ち全国にファンも多い。 取材・文/内橋明日香 写真提供/レジェンドゆう
内橋明日香