立浪監督が辞すればドラゴンズは変わるのか?誤算と苦難続きの3シーズンを振り返る
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志半ばの辞任
それは突然だった。唐突にテレビ画面上に速報として流れた"中日ドラゴンズ立浪監督辞任"の文字。9月18日、タイガース戦に敗れた試合後の会見で「結果が全ての世界。監督が責任を取るのは当然」と、退任する意向を明かした。2021年オフ、低迷が続くチーム再建の切り札として竜の舵取りを任された立浪監督。しかし志半ばにしてユニホームを脱ぐ結果に。今週のサンドラは思い通りにチームを変革できなかった立浪竜、誤算と苦難続きの3年間を振り返った。
課題と手ごたえを感じた就任1年目
2022年、満を持して誕生した立浪ドラゴンズ。監督就任会見で"勝つ野球"を標榜。その為には一切妥協はしないとまで言い切り、得点力不足解消には絶対的な自信を見せていた。積極的に若手起用を行い、将来チームの主砲へと期待を込め、当時入団3年目の石川昂弥選手を開幕スタメンに抜擢。この年、4月を終えた時点では前年の2021年と比較し、チーム打率は.225から.251へ、ホームラン数も8本から17本へと改善。成績も13勝13敗と5割をキープするなど、上々の船出となった。 しかし交流戦が始まった5月下旬、石川昂選手が左膝を痛めリタイアすると、成績は下降線をたどった。それでも石川昂選手同様、開幕から使い続けた岡林勇希選手が高卒3年目ではイチロー選手以来となる最多安打のタイトルを獲得。高卒2年目の高橋宏斗投手(※「高」は「はしごだか」)も先発で6勝を挙げ、侍ジャパンに選出された。最終順位は最下位ではあったが、3位までのゲーム差はわずかに3。課題は残したものの確かなる手ごたえを感じた監督1年目となった。
誤算続きの2年目
2年目の2023年。このチームは大きく変わらないと勝てないと感じた立浪監督は大きく自分の色を出し始めた。二遊間のレギュラーだった阿部寿樹選手と京田陽太選手をトレードで放出。ドラスティックな血の入れ替えを敢行した。しかし開幕前から想定外の事態がチームを襲う。 守護神ライデル・マルティネス投手へとつなぐセットアッパーとして期待していたジャリエル・ロドリゲス投手がワールドベースボールクラシック出場後に亡命すると、開幕セカンド起用が有力視されていたルーキー田中幹也選手は右肩の脱臼で1年を棒に振った。若手に活路を求めた二遊間は経験不足が露呈し、勝利の波に乗り切れないチームは早々にして優勝争いから脱落していった。 現役ドラフトでベイスターズから移籍した細川成也選手がひとり気を吐いたものの、立浪監督が自らドミニカまで足を運び、獲得に動いた大砲候補のアリスティデス・アキーノ選手は日本の野球にまったく対応することができず、1試合あたりの平均得点は改善するどころか、むしろ悪化。球団史上初の2年連続最下位に沈んだ。