20代夫婦で共働きです。借入額を増やすために夫婦の収入を合わせて住宅ローンを借りたいのですが、合算して借りられるのでしょうか?
収入合算の場合
一般的な収入合算とは、ローンの申込者(主たる債務者)の収入に、もう一方の配偶者の収入のうち、金融機関等が定める一定の収入を合算してローンを組む方法です。 これにより、より多くの借入金額とすることができます。収入合算には、「連帯債務型」と「連帯保証型」の2種類があります。 (1)連帯債務型 ローンの契約者(主たる債務者)ともう一方の配偶者が連帯債務者となり、両方に返済義務が生じる形態です。万が一、主たる債務者が返済できなくなった場合には、連帯債務者であるもう一方の配偶者に全ての返済義務が生じます。 連帯債務型の場合には、条件が合えば、夫婦両方で住宅ローン控除を適用できます。ただし通常として、連帯債務者は団体信用生命保険に加入できないため、連帯債務者のほうが先に死亡した場合でも、債務者はローンを返済しつづける必要があります。 (2)連帯保証型 ローンの契約者(主たる債務者)ともう一方の配偶者が、連帯保証人となる形態です。連帯保証人の場合には、常に債務者と連帯して債務を負担することになります。弁済期が到来した債務は、債権者から全額の請求を受けることになります。 連帯保証型の場合には、連帯保証人として、住宅ローン控除および団体信用生命保険の加入も対象外となります。
まとめ
ペアローンの場合は、住宅ローンの契約を夫婦それぞれが結んで契約が合計2つ、収入合算の場合は、ローン契約自体は1つということになります。ペアローンを利用した結果、契約が2つ生じるとなると、手続きに関する手数料が多くかかることも覚えておきましょう。 若年世帯を中心としてペアローンの利用が多いことは、決して否定すべきことではありません。ただし、ペアローンで最も問題となるケースは、ずばり「離婚」です。 例えば30歳ぐらいの若年夫婦が、少し背伸びしてペアローンを組んで購入した都心のタワーマンションを、将来的に手放さざるを得ない状況になる可能性についても覚えておきましょう。 出典 (※1)三井住友信託銀行株式会社 ミライ研 【第140回】「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)より3 単独ローンで借りる? ペアローンで借りる? 執筆者:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部