20代夫婦で共働きです。借入額を増やすために夫婦の収入を合わせて住宅ローンを借りたいのですが、合算して借りられるのでしょうか?
首都圏を中心とする住宅価格の高騰や、共働き夫婦の割合増加などを背景として、住宅ローンを組む際に、夫婦でペアローンを選択するケースが多いようです。住宅ローン利用経験者のうち若年夫婦世帯である20歳代は16.5%、30歳代は18.6%がペアローンを選択しています(※1)。 本記事では、若年世帯が実際に住宅ローンの利用を検討する際に、選択肢の1つであるペアローンや収入合算などの基礎知識と、注意点等を確認します。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
住宅ローンの主な種類
若年夫婦が住宅ローンを組む際の選択肢には、主に、夫婦のどちらか一人が単独でローンを組む「単独ローン」、夫婦がそれぞれでローンを組む「ペアローン」、夫婦の収入を合わせてローンを組む「収入合算」の3つの方法があります。 昨今では、女性の正規雇用割合が増加し、共働きが一般的になってきており、住宅の所有権を夫婦の共有名義とし、ローンの負担も分担し合う「ペアローン」の採用が増加傾向にあります。 また、首都圏や三大都市圏周辺を中心とする不動産価格の上昇傾向も後押しする形となり、単独ローン(いずれか一方の収入では借入限度額に届かない)では手の届かない理想の物件を取得するため、もう一方の配偶者の収入を合算して借入可能額を増加させる「収入合算」を採用するケースもあります。
ペアローンの場合
一般的なペアローンは、1つの住宅に夫婦がそれぞれでローンを組む方法です。そのため、ローンの契約や審査、返済などは夫婦個別に行われます。また、夫婦それぞれが債務者となり、もう一方の配偶者がそれぞれ連帯保証人となります。 そして通常、住宅の所有権は夫婦の共有名義となり、共有持分は出資割合(借入負担額)に応じて決定されます。当然ながら、固定資産税などの負担も夫婦それぞれの共有持分に応じて負担するのが基本です。 ペアローンのメリットとしては、条件が合えば、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を夫婦のそれぞれが適用できることを挙げられます。住宅ローン控除は、現在は適用期間が令和7年12月31日まで延長されていますが、最大で13年間、夫婦2人がそれぞれ税制優遇を受けられることは、大きなメリットといえるでしょう。 また、夫婦それぞれの住宅ローンに団体信用生命保険を付保できる点もメリットといえます。これにより、いずれか一方が先に死亡または高度障害状態となり返済ができなくなった場合、保険適用後の住宅ローン返済の必要がなくなります。 ペアローンは、基本的には夫婦それぞれがローンの完済まで、返済に耐えうる収入を得ることを前提としています。出産や育児、介護などの将来的な環境変化についても考慮しておくことが重要です。