【冒険家・植村直己氏の相棒】セイコー ダイバーズウオッチの歴史に名を刻む傑作
1965年4月、セイコーが150m防水仕様のダイバーズウオッチを発表した。 これが、国産初の”本格”ダイバーズウオッチとして広く認知されている。 ちなみに、あえて“本格”の部分を強調したのは、64年にオリエントからいち早く“ダイバー”の名を冠したモデルが登場しているからである。こちらは回転ベゼルを備えるなどスタイリングはまさにダイバーズウオッチだったが、防水性は40mほどだった。 その後、セイコーのダイバーズウオッチは67年に300m防水を実現した“プロフェッショナル 300mダイバー”を、75年には600m飽和潜水仕様のモデルを投入するなど急激な進化を遂げることとなる。 【画像ギャラリー:約50年前に製造されたとは思えない良好なコンディション】
今回取り上げるのは、そんなセイコー ダイバーズウオッチの歴史のなかでも、“植村ダイバー”の通称で知られる150mダイバーの2ndモデル、Ref.6105-8110だ。 いわゆる“スキンダイバー”を改良した1stモデルに対して、2ndモデルではケースデザインを刷新。トノー型のケースフォルムに加え、搭載ムーヴメントも自動巻きの61系キャリバーに改められている。1968~76年まで製造されたが、70年頃を境に仕様が変更されており、前期・後期に分類される。見分け方としてはリューズガードが追加されたのが後期だ。 “植村ダイバー”の由来でもある、冒険家・植村直己が北極圏1万2000kmの距離を犬ぞりで走破した際に着用していたのはこの後期モデルであり、その過酷なチャレンジをサポートした傑作なのだ。
文◎Watch LIFE NEWS編集部