「再びかァァ―――ッ!! 」荒木飛呂彦展、新作原画にジャイロ登場の理由
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』連載開始から30年の集大成となる、「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」が8月24日から、国立新美術館(東京・六本木)で開かれる。21日、一般公開に先駆けて行われたマスコミ向け内覧会では、その全貌が明らかにされた。 同展で最も注目されているのが、荒木氏による完全新作の12枚の大型書き下ろし原画「裏切り者は常にいる」だ。ジョジョに登場するキャラクター12人を選んで、すべて等身大で書き下ろしたというのだが、いったいどんなキャラクターが選ばれたのか?
新作大型書き下ろし原画に登場する12人 選定の理由とは?
この日トークセッションで展示室に登場した荒木氏は今回の新作について、見ている私たちとキャラクターの世界を同じ空間に存在させたいという思いで、等身大に描くことにこだわったと言う。 また、同作に登場させた12人のキャラクターの選択については、何か基準があったのだろうか? 『ジョジョの奇妙な冒険』といえば、同展のキービジュアルにもなっている、ジョジョの象徴でもある空条承太郎とDIOはもちろん外していないのだが。 「読者の人気があるとかいう基準ではまったくなくて、単純にシルエットで選びました。髪型とか、男性、女性、帽子を被っているとか、ファッションが被らないようにしました」 そういうわけで、カーズ、イギー、吉良吉影、ブチャラティ、ウェザー・リポート、ジャイロ、東方定助と、個性的な面々が選ばれたのかと頷ける。女子では空条徐倫、山岸由花子、広瀬康穂がいる。連載が終わって、もうこの世を去ったキャラクターに命を吹き込み、再び書き下ろし作品として出会えるのは、ファンにとっては最高の幸せだろう。 荒木氏は描いているときと美術館の照明が違っているため、展示室であらためて見てみると、ひとつある失敗に気がついたと告白する。 「DIOの背景の色が濃かったかなと。描いていると気づかなくて、国立新美術館の照明が美しすぎるのか、きのう見たとき『濃いな~』と思いました」 できるものなら描き直したいと残念そうに本音を吐露していた。 そして、同作の中でのいちばんのお気に入りは、中央に描かれている犬のイギーだそう。