結婚しなくても貫かれた「愛のかたち」。人生が「生まれ」で決まる平安時代、変わらず想い続けられた理由【NHK大河『光る君へ』#34】
愛とは自然なもの。まひろと道長の愛は物語にもつながるのか
視聴者は道長とまひろの関係性を通して、結婚という社会制度を超えた愛のかたちがあることに気付かされるような気がします。夫婦関係は絆を制度的に証明できますが、本作にも夫婦のさまざまなかたちや事情が描かれているように、結婚相手が最愛の人とは限りません。道長とまひろの関係は人間がつくった制度を超えるものであり、賢子(永井花奈)が自然の摂理として生まれたとも解釈できます。 そして本放送では、『源氏物語』におけるヒロイン格である若紫が道長が贈った扇から着想を得て誕生しました。若紫は光源氏から寵愛を受けるものの、彼には悩まされ、心傷つけられることも...。 まひろは若紫に"恋しいあの人のそばで一緒に生きる人生"を託すのだろうか。 ▶つづきの【後編】では、平安時代「台風」についてお伝えします。当時の人々も気候災害に苦しめられ、対策をとっていたようです。
アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗