【ネット投票】超推進派が語る政治の壁、制度の壁、技術の壁
MC西田は「在外邦人にインターネット投票を積極的に進めて行く話はかなり前からあります。なかなか具体的に進んでいかないのは、なぜなのでしょうか?」と質問。 中谷氏は「それはもう、与党の問題」と回答しました。 4月の本会議で河野太郎デジタル大臣に問いても「各党各会派で議論してください」という答弁。 2022年の参議院選挙時に行われたインターネット投票に関するアンケートでは、各党から反対意見は1つもなく「総論はいいんじゃないの」という状態で、「みんな前向き」だったと語る中谷氏。 しかし、議員立法を提出しても、与党は審議を行ってくれない状態……。 中谷氏は「各党各会派というより、自民党がやると言えば、明日からでも議論開始ができる」と言及しました。 「だからやろうよと投げかけても、自民党内でもちょっと議論が始まっていますから、ちょっと待ってくださいみたいな答弁が返ってくる」と苦笑する中谷氏。 MC西田「不思議ですね。自民党はDX推し、デジタル推しのはずなのに。なかなか与党が前に進めていかない状況があるんですね」
ネット投票の安全性は大丈夫?!
インターネット投票といえば、エストニアでの投票方式が有名であり、中谷氏も「エストニア方式は研究すればするほどよくできている」と参考にしたそうです。 (関連情報:「世界で唯一すべての国民がインターネットで投票できるエストニアの投票環境とは?」) インターネット投票が導入された場合、第三者からの投票干渉やなりすましなどの危険性が懸念されます。この点について、どのような対応策が検討されているのでしょうか? 中谷氏は、日本の法律で、なりすまし投票も投票干渉も刑罰の対象になる点についての啓蒙活動を行っていく必要があると語りました。 「映画館の『NO MORE映画泥棒』みたいに、(投票時に)画面上に出すとか…」とアイデアを語る中谷氏。 エストニア方式と同じく、法案のインターネット投票は期日前のみであり、期日内であれば投票のやり直しができます。 「例えば友達に『中谷を頼むぞ、俺は見てるぞ』と言って、投票させられたとしても、家に帰ったら入れられる(再度投票ができる)」システムであり、投票日当日の投票用紙(紙)の投票が最優先される仕組みを検討しています。 中谷氏は法案のインターネット投票について「今の日本の投票制度は維持された状態での、付加価値のサービス」と解説しました。 コストについては、衆議院や参議院の国政選挙では1回の選挙で1200億円位がかかっています。 日本の開票作業は、手作業が多い人海戦術です。 「これが効率化していくことができたならば、デジタルの投資は回収できるものになると思う」と中谷氏。 エストニアでは、今までかかっていた経費の5割が削減されているというデータもあり、「中長期的に見れば、コスト削減につながっていき、行革的には私は効果があるんじゃないかと思っている」と中谷氏はコメントしました。