50代「喉の不調」これって病気なの?イガイガ、むせる、痛みなど6つの症状【医師が解説】
痰がからむ
痰は、気管に入った細菌やウイルスなどの異物を排出するために気道から分泌されるもので、体の防御反応。分泌物の量や粘り気を増やして痰として出すのです。また、副鼻腔炎により、副鼻腔にたまった粘液が、喉に落ちてきたもの(後鼻漏)を、痰のように感じることも。(鳴戸先生) 発熱はないのに痰を伴う咳が長引く場合は気道粘膜に炎症が起きているか、気道の過剰な分泌物を排出しようとしていると考えられます。このような症状が起きる呼吸器の病気は、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のほか、肺炎や肺結核、肺がんなど深刻な病気の可能性もあります。(大谷先生)
声がかれる
声がかれるのは、喉の喉頭という器官にある声帯になんらかの異常が起きることが多いです。考えられる病気は、咽頭炎や喉頭炎、後鼻漏のほか、声帯ポリープや喉頭がんなどの可能性も。ただし、喉頭がんは過度な飲酒や喫煙の習慣がある男性に多く、女性には少ない傾向です。(鳴戸先生) 咳喘息や気管支喘息、気管支炎などにより、咳が長引くことで、声がかれるケースはあります。ですが、大体の場合、声がかれるのは、声帯に問題が起きている耳鼻咽喉科分野の病気の場合が多いと思います。(大谷先生)
喉の詰まり、むせ
喉が詰まる場合、喉頭炎などで喉に炎症が起きているか、嚢胞(良性のもの)ができている場合もあります。また、ストレスなどが原因で、病気がないのに喉が詰まる感じがするヒステリー球(咽喉頭異常感症)の場合も。また、むせやすくなるのは、喉の筋肉が衰えている可能性も。(鳴戸先生) 食事中のむせは、飲食物が誤って気道に入り、それを出そうとして起こるものなので心配はいりません。ただ、40代後半以降で飲食物が飲み込みにくくなってきたり、むせやすくなってきたなら、喉の筋力の低下が始まっている可能性大。放っておくと夜中に口腔内細菌を含んだ唾液を誤ご嚥えんすることによる誤嚥性肺炎のリスクが高まるので要注意。(大谷先生)